アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
監獄のカーニバル 3
-
あれから、3ヶ月の月日が流れた。
少年は男のことを忘れかけていたし、男も少年のことをあまり気にかけなくなった。
そんな時だ。
「…」
「…」
少年の予備校からの帰り道。
人通りはほとんどない裏路地。
あのパーカーを着た男だけが暗闇の中をよろよろと歩いていた。
指名手配されていたため、迂闊に外に出られずしばらく人を食べていなかったのだ。
ひゅっと息を飲んだ少年
人の気配を感じた男は目をぎらつかせた。
この男、以前よりも狂気を増している。
途端に少年の鼓動は速くなり、恐怖のあまり座り込んでしまった。
男は目の前の人間を丸呑みにしてしまいたかった。
半狂乱でその人の元へ駆けていく。
男はハッとした
あの少年だ…。
少年は死を覚悟した。
もうダメだ。食べられてしまう。
目を瞑ってその時を待った。
男の指が、頬を掠めた。
少年はビクッと大袈裟なほど体を震わせる
男は、そんな少年が心底愛しい。
少年を食べる気などさらさらなかった。
頬を掠めた指はそのまま顎を撫で、少しだけ上に持ち上げて
食人鬼と少年は、唇を重ねた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 7