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監獄のカーニバル 5
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「君は、そのことばが僕をどれだけ狂わせているか…分かるかい…?」
少年は恋人と行為をしているような、恍惚とした笑みを浮かべていた。
男はいても立ってもいられなくなって、少年の首筋にかぶりついた。
それは決して咀嚼ではなくて、愛撫だ。
少年は一瞬体を震わせたが、すぐに硬直は解けた
「怖い…?大丈夫。僕は、君を食べたりしないよ…」
「…知ってますよ。」
男は少年の嘘に気付いていた。少年の体は震えていた。
それすらも愛しく思える。
男はフッと笑って愛撫を続けた。
「…っ」
男の手は、胸、腹、腰へと下りていく
「ごめんね、僕にはもう、時間がないんだ。」
少し離れたところで、パトカーのサイレンが鳴り響いていた。
「…貴方、監獄でも人を食べるつもりですか」
「…まさか、な。」
そんなことをしたら、きっと彼は死んでしまうだろうな
と、少年は思った。
「それにしても、寒いですね。もう1枚、羽織るものがあれば良かったのに。」
「…このパーカーを着るかい?」
「ありがとうございます。」
少年はパーカーを着て、男を抱きしめた。
「…………ギッぁあ!?」
少年は、力の限りで男の首筋を噛み切った。
あまりの痛さに男は悶えた。
少年は生きている血の生暖かさに顔を顰めた。
気持ちの悪い食感だけがじわじわと残る。
「最悪な味ですね。こんなもののどこがいいんだか」
「ぐ…ぁあ…」
口周りにべっとりと男の血が付いた。
バリバリバリッ
少年は髪を両手で引き抜いた。
「君、何を…」
少年は両手の髪を投げ捨て、べっとりと付いた血も拭かずに笑って言った。
「逃げてください。」
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