アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7
-
―――
採尿された後、激痛に泣き叫びながらジワジワとゆっくりカテーテルは抜かれていく。
少し抜かれただけで激痛を伴いかなりの時間をかけて全て抜かれる頃には、俺の顔は涙と鼻水、そして涎でぐちゃぐちゃになって、脂汗まで出ていた。
なにこれ、痛いなんてもんじゃない。身体に電気を流されているような、拷問といっても非じゃない。
放心状態の俺を余所に薬物検査とやらをしているらしく、藤堂さんと豊島さんの声が聞こえる。
「クスリに関して結果は陰性。一応カテーテルに炎症止めを塗っていたから痛みは長引かないはず。…若のことは怒らせない方が…。では」
いきなり真横に現れ事務的に告げてきた豊島さんは終始表情を変えることなく帰っていった。
「お前は何を隠している。ペットの分際で隠し事など許されると思っているのか。今すぐ白状しないと始末するぞ、さっさと吐け!」
「…俺を、殺すんですか…っ?」
「素性の知れない奴を側に置いておくのは危険だからな」
「どうせ死ぬならっ…。痛くなく、苦しくなく…っ、殺してっ…」
「なんだ、死ぬことは怖くないのか」
「だってっ…。あ、いや何も…」
「……お前っ、もしかしてっ…!明日は出掛ける。今日はもう寝ろ」
それだけ言って寝室を後にする藤堂さんは、俺の病気に勘づいてしまったのだろうか。
それにしても豊島さんは炎症止めを塗ったと言っていたが、ピリピリとした痛みは治まらない。
射精を求め勃ちあがっていた性器は痛みで萎え寧ろ縮こまってしまった。
しばらく痛みに悶々としていたが泣き叫び疲れた体は知らぬ間に眠りに落ちていった。
翌日。
藤堂さんに起こされて身支度を整え、迎えに来た豊島さんと一緒に玄関を出た。
2人は何かこそこそと話し、俺を車の後部座席へと押し込む。
俺を見張るかのように隣に藤堂さんが乗り、運転席には豊島さん。
しばらくして着いたのは数日前俺が病気を宣告された病院。
順番など関係ないのは何故だろう。
やっぱりヤクザだからか?
お医者さんたちは脅されているのか?
そんな心配を余所に知り合いなのか、ご無沙汰だなと軽く挨拶を交わした後、診察が始まった。
「成瀬竜くん、カルテ見たけど君この前も来てたね。今日ここに藤堂に連れて来られたということはまだ教えてないんだ?今日調べても結果は同じだろうけど…どうする?僕の口から藤堂に教えるよ?」
俺を監視するように藤堂さんが真隣にいるから先生の言葉は丸聞こえで。
「常田、こいつは何か病気なのか?」
「簡単に言うと大腸癌。ただし竜くんはステージ0だから手術で完治する、んだけど…竜くんは手術を希望してないね?」
「癌…ステージ0か…。画像などはないのか?」
「カメラを入れれば見ることは出来るよ。竜くんこっちへ来てこの台に横になってくれる?」
先生はそう言うと奥の部屋の扉を開けた。
藤堂さんがいる手前、拒否も出来ずに言われた通りに病院特有の真っ白な診察台へと横たわる。
それだけでとても緊張する。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 39