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ある日の夕方。
なんだか無性に外に出たくなった俺は久しぶりにベットから起き上がった。
「咲夜君、気を付けてくださいね。」
「はい、ありがとうございます。」
若い看護師に笑顔で返すと、顔を赤らめて逸らす。
(はぁ・・・。気分が悪い。)
病院にいる以上、看護師までにそういう態度を取られてしまうと、居心地が悪い。
自動ドアが開き、外の景色が見える。
ここの病院は凄く景色が良い。
一定間隔に気が植えられていて、とても清々しい場所だ。
外のベンチに腰を下ろす。
はぁ。なんでこうなったかな。
そう思うと自然と負の感情に囚われる。
あの時こうしていれば、もっと、もっと頑張っていれば・・・。
そう考えたって仕方の無いことだ。
誰か、俺を助けて。
なんて、彼女がいる訳でもないのに。
もう部屋に戻ろう。
そう思って立ち上がった時だった。
「・・・痛っ、あっ、大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈夫ですよ。」
人とぶつかった。
「本当にすみません。お怪我はありませんか?不注意で・・・。」
「大丈夫ですよ!気にしないでください!」
「では、失礼します。本当に申し訳ありませんでした。」
そう言って、男は去って行った。
これが俺と樹の最初の出会いだった。
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