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数日後。
俺と蓮は、退院に向けての準備を進めていた。
_______________あの日以来。
″あの″ 話題には触れていない。
まぁ、最も、俺と蓮もその方がやりやすいからいいのだが。
「ねぇ、樹ー?これどこに置いとけばいいー?」
「あぁ、それはその下の棚に頼む。」
「りょーかいー。」
なんて会話ができる程度に、俺と蓮の関係は変わっていない。
______________でも。
ただ一つ変わったのは、蓮が時々、俺に向かって泣きそうな笑顔を見せることである。
それを問いただしても、蓮は、「何にもないよー」の一点張り。
蓮が触れられたくないなら触れなくてもいいのだが。
俺としては、あまり良くは思っていない。
というのも、あの日、俺自身が ″一目惚れ″という言葉にドキッとしたからで。
なんて、いつまでもグダグダはしていられない。
「じゃあ、樹ー。帰るね。」
語尾を伸ばすことをやめ、真剣になった蓮が喋りかけてきた。
「あぁ。気をつけて帰れよ。」
「ねぇ、樹。」
「...なんだよ?」
「やっぱいいやー!じゃあねー!明後日は学校来てねー!待ってるよー!」
この時、蓮はいつになく悲しそうな声だった。
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