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「ルーちゃん、クーちゃん」
フィちゃんが倒れて3日。まだ目を覚まさない。身体に異常はなく、なぜ眠り続けているのか治療師様でも分からない。
「母上……」
ルーちゃん、クーちゃんがフィちゃんより大事なものなんてない。目を覚ましてくれるならどこにも行かない。そう言っても眠り続けるフィちゃんに届かない。
「顔色が悪いわ。フィちゃんは私が見てるから少し休みなさい。お母様の言うことをきくわよね?」
憔悴している息子二人を自室に戻らせた。学園に行くことは絶対。
フィちゃんもいずれは行く事になるけど、大人を怖がるフィちゃんは通うのは難しい。
フィちゃんの分もルーちゃんクーちゃんが民の上に立つ者として義務を果たさないといけない。
寝ているフィちゃんの頭を撫でる。
「私の愛しい子、愛してるわ。可愛いフィちゃん」
寝ている子に変だけど、声に気付いて目を覚ますかもしれない。赤ちゃんだった時の子守唄を歌う。フィちゃんは赤ちゃんの時からお兄ちゃんどちらかがいないとよく泣いた。
「ど……して、僕を、嫌いなの」
目を閉じたまま、辛そうに苦しそうにフィちゃんが小さく呟く。
「私は嫌わない。フィちゃん」
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