アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
15
-
バニラ味の甘い口付け。響きはどっかの少女漫画みたいだが、しているのは風見くんとだ。
ただ受け入れ続けるしかない長い口付けは、風見くんが顔を離したことでようやく終了する。
「っはぁ……は…お前…」
「理一さん…俺、あなたが好きです…」
「…………」
「あなたが毎日コンビニでケーキを買って行くように……俺にとって、あなたを毎日見ることが日課だった。あなたがいなきゃ、俺は生きていけない……!」
「ちょ、風見くん? それは早まりすぎだよ! 俺ただのおっさ…お兄さんだし」
やっぱり毎日ケーキ買って行くの覚えられてたんだ。なんて思いながら、今にも泣き出しそうな風見くんの剣幕に押されて怒ることもできなくなる。
「ほんとに…覚えてないですか? イチゴアイスくれた時のこと…」
「……イチゴアイス?」
それは…やっぱり、風見くんとの初対面がコンビニでないということか。
俺がイチゴアイスを他人にあげるなんて…考えられないけど。
「いえ……いいです。思い出すまで待ちますから」
「……そう?」
なんか…今更だが、
ちょっとこの子怖いかもしれない…。
過去の俺が何をしたか知らないが、他人だったことに変わりはないはずだ。なのに俺がいなきゃ生きていけないなんて、ちょっと……いや、かなり重い。
「と、とりあえず…ピザ食うか!」
あーまた俺の悪い癖だ。
面倒だと思ったら、すぐに人を自分からを切り離そうとする。
……風見くんは、真っ直ぐすぎるだけだ。今まで俺の周りにいなかった。だからちょっとビビってるだけ……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 15