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「そういえば幸仁くん、恋人とかいないの〜?」
「へ?!俺…ですか、いないですよ俺なんて」
あれから外に出たくないと駄々をこねる章優さんを茜さんが強引に引きずり出して車に乗せて、今は車で予約した店に向かっている。ちなみに運転は茜さんだ。
「ちょっと、幸仁にまでお見合いさせる気じゃないだろうな…」
「あ〜ら、どうかしらね〜」
「はは…、俺はまだ大丈夫です…」
そういえば俺、9年前に章優さんに会ってから章優さんしか見てなかったから今まで恋人とか作った事ないな…、俺なんて人に好きになってもらえるような人間じゃないしどんな生き方しても恋人とかできなさそう…。
兄貴も姉ちゃん2人も恋人作っていつも遊びに行ったり家に恋人連れて来たりしてたけど、俺だけ家にいるか滝沢家にいるかで父さんも母さんも俺の事諦めてたよな…。
「幸仁くんって恋人できた事ないの?昔からいた気配なかったけど」
「え、まぁ…いた事ないですね」
「それって章優がいるからじゃないの?なんかごめんね?いつも面倒見させちゃって」
「いえ!そんな事ないですよ!章優さんと一緒に過ごすの楽しいですし、恋人作るより章優さんのお世話の方が大事ですから!」
恋人なんかできるはずない、そもそも俺が好きなのは章優さんで…それ以外の人はなんかぼやけてるというか、あんまり興味がないというか…。俺に興味持たれた人が可哀想だし…だから友達という友達いなかったし…。
茜さんの際どい質問は続いて何個か答えていたら目的の場所に着いたらしく、見るとなんか高そうなお店でワナワナしている俺とそれを見て笑っていてる茜さん、横を見ると章優さんは外に連れて来られて少し顔がこわばっていた。
「はい、章優さんつかまって下さい」
「うん」
「大丈夫ですよ、俺はここにいますから」
俺は章優さんの手を握りゆっくりと誘導する。
目が見えない人はよく杖みたいなものを持っているけれど、章優さんはあれが嫌いみたいで滅多に持ち歩かない。
茜さんは先に行ってチェックインを済ませると言い、早歩きでレストランの受付に向かった。正直俺はファミレスかなんかだと思っていたのに全然違った…。
「す、凄いですね…お昼にこんな…」
「変なところに連れてこられたの…?」
「え、いや凄い高そうな店だな…って」
「え、なに怖い、高いとかってあるの」
そうか、章優さんは小さい時からこーゆーところに連れてこられていたから逆にファミレスとか知らないんじゃ…。
どうしよう、中に入るのが怖い…!!
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