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「ふぅ、たくさん食べましたね、晩御飯は軽いものにしましょうか」
あれから自分の分は自分で払うと言う俺を跳ね除けて全て茜さんがお会計を済ませてくれた。
あの高い金額を………思い出しただけで罪悪感が襲ってくる…。
「幸仁、俺シャワー浴びてくるね」
「あ、はい!温度調整しておきますね」
「ありがとう」
さてと、章優さんがお風呂に入ってる間に洗濯物でも取り込みますか。昨日は雲りだったから凄い量の洗濯物が…
母さんはこれを子育てとかしながら毎日やってたんだよな…自分がやるようになって今までの母さんへのありがたみがすごく分かった気がする。
俺は2階のベランダに干した洗濯物をカゴに入れリビングに持ってきたが、たたむ前に章優さんの着替えを用意してお風呂場に持っていきバスタオルを取りやすいように壁の手すりにかけておく。その事を章優さんに伝え、そしてリビングに戻って洗濯物をたたみ始める。
「はぁーーー、なんか疲れた」
「あ、おかえりなさい。久しぶりの外でしたもんね」
「幸仁何してるの?」
「洗濯物をたたんでます。あ、章優さん服が後ろ前逆ですよ?今変えますね」
章優さんに歩み寄って服の向きを変え終わると急に体が何かに包まれた
「あ、章優さん…?!」
「ちょっとだけ、ご褒美ちょうだい」
「へ、あ...はい」
なんだ、何の展開だこれ、俺の妄想?
俺、今章優さんに抱きしめられてる…?
心臓の音、聞こえてないかな…凄くバクバクしているのが自分でも分かる。
「幸仁は、俺がお見合いするの嫌?」
「え、そんな…事は…」
「母さんがお見合い相手の写真見せた時、幸仁辛そうな声してた」
バレてたのか…
あの時正直凄く辛かった。まるで自分が章優さんの背中を押してるみたいで…
本当は章優さんの為に背中を押した方が良いと分かっているけれど、その人に取られたくなくて…凄く心が裂けそうな思いで話したんだ。
「俺は………」
「俺、お見合いした方が良いのかな」
だめだ、これ以上何か言ったら…。
また章優さんに乗せられてると分かってるのに。
周りの音が聞こえなくなって間近で感じる章優さんの声と匂いに何も考えられない。
何かの壁が壊れる音がする。
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