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「それで、全員来れるように成人式をする前に学年皆で集まろうぜってなったから木下強制連行な!」
「え、いや、いい」
「全員参加でーす、って事で連絡先教えて」
断っても多分強引に聞いてくると思い、俺は仕方なくLINEのQRコードを見せた。
俺のLINE…家族しか入ってなかったのに…まぁ家族ともそんな話さないからアプリ消そうと思ってたくらいだけど。
「詳しくはLINEで送るわ!」
「え…あ、うん」
「じゃあ、旦那さんもまたね」
「またね、小林くん」
またねって、別にまた会うわけじゃないでしょ…と心の中でつっこんで2人で家の中に入る。
「もう、いきなり背後から出てきたらビックリするじゃないですか…!」
「ごめんごめん、なんか幸仁の知り合いみたいだったから気になって」
「ただの高校のクラスメイトですよ」
「そっか、なんか妬けちゃうな〜俺の知らない幸仁を小林くんは知ってるんでしょ?」
さっき対抗してたのはそういう事か…。章優さん…嫉妬してくれてるのかな…、
なんか嬉しい…かも。
「章優さん、嫉妬ですか〜?」
「うわ、馬鹿にしてる声だ」
「馬鹿になんてしてないですよ〜」
ムッとした表情で俺の袖を掴んでる章優さんが拗ねている子供みたいでちょっと可愛い。
いつも余裕な感じで微笑んでるのに、レアな章優さんが見れて浮かれてる俺にもっと拗ねたのか章優さんは頬を膨らませる。
「ちょwww章優さんwwww」
「俺も学校での幸仁を知りたい!!」
「全然覚えてないんですけど…」
「俺に隠し事……」
「わー、もう分かりました!!本当に記憶に残るような事してないですよ…?」
そう言うとニコニコしてソファーに座って隣に座るように催促する章優さんに俺は仕方なく隣に座って学校での話をする。
えっと…学生の時だろ……
体育祭、文化祭などは特に誰の記憶にも残らずただそこにいるだけで、クラスマッチはいつも見学、体育の時間も適当に走って終わり、部活もしてない。
これが中学と高校の6年間
中学の時は給食だったので適当に班があったが高校になってお昼が弁当になってからはいつも1人で教室の端で食べていた。
休みの日に誰かと遊ぶ事もなかったし、高校の修学旅行には行かなかったし、なんか本当に俺って…何もしてない気が…。
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