アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
51
-
「幸仁くん、お帰りなさい。ご飯あるから上がって待ってなさい」
「へ」
そのまますぐに章優さんの家に向かった俺は家に着いた途端なぜか家に上げてもらうことになった。
「お、おじゃま…します」
「おかえり、幸仁」
「た、ただいま…です」
章優さんに迎えられてリビングに案内された俺は椅子に座らされて茜さんがご飯を持ってくるのを待つ。
あれ、俺はご飯を食べに行っていた事になってるよな?どうして今からご飯…。
「お待たせ、疲れたでしょ?」
「え、まぁ…はい」
「なんで硬くなってるのよw楽にしてなさい」
「なんで、ご飯……」
「幸仁くん、ご飯食べずに帰ってくるんじゃないかと思って」
その通りなんですけども…。
章優さんと茜さんできっと俺が食べずに帰ってくると話をしてたみたいで茜さんは俺の分までご飯を作ってくれていた。
この親子凄いな…
「幸仁くん、集まりとかが苦手らしいわね」
「まぁ、得意ではないですね…。あ、いただきます」
「お口に合うといいけれど、そういえば章優が言ってたけど結構長く居たみたいね?楽しかったの?」
「いや…なんか、帰れなくて…」
「皆、幸仁くんが珍しかったのかしら」
優しく微笑んで俺に話をしてくれる茜さんが、俺の母さんと違いすぎてなんか変に緊張してしまう。
隣で章優さんは目を瞑って何かを考えているみたいだし、どうしたらいいんだ…俺。
「小林くんに捕まってたの?」
「へ?あぁ…そうなんですよ。帰ろうにも全然帰らせてくれる雰囲気ないし…なんか最後は変な連中に絡まれるし…本当災難でした…」
「ふふ、それほど幸仁くんが人気者なのよ」
「俺、学生時代友達いなかったですけど…」
「あら、うちの子と同じね」
笑い話にしてるけど章優さん本人がいる前でそれを言っていいのか?章優さんもやっぱり友達って言える人いないのかな…話にも出てこないし…っていうか俺が小さい頃から遊びに行ってたから他の人と遊べなかったんじゃ…!!
なんか申し訳なくなってきた…。
「幸仁くん、食べ終わったらお風呂に入ってらっしゃい。そのまま帰って寝れた方が楽でしょ?」
「え…いいんですか?」
「ええ、それに私も幸仁くんともっと一緒にいたいしね。泊まっていったらどう?」
「だめ、幸仁。風呂に入ったらすぐ帰ろう」
「何よ、あんただけ帰りなさいよ」
なんか言い合ってるみたいだけど、茜さん幸せそうだな…。やっぱり自分の子供が自分の所にいるのって嬉しいのかな…。俺のわがままで章優さんを連れていってしまったけど、茜さん…もしかして寂しいんじゃ…。
「そうだ、着替え用意しなきゃ。幸仁くん、章優のお古でもいいかしら?」
「着替えなんて…!そんな…」
「いいのよ、気にしないで?昔の章優の服持ってくるわね」
そう言って茜さんはどこかの部屋に着替えを取りに行った。
俺は食べ終わったお皿をとりあえずキッチンに置いてなんとなくまた椅子に座った。
そして隣にいた章優さんが急に俺の近くに寄ってきて、俺の顔に手を当てて耳元で囁いた。
「今日、本番してみていい?」
「ほ、ほん…ばん?」
その時の俺はその言葉が理解できなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 52