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利用
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カーテンの隙間から光が差し込み眩しくて重いまぶたを開いた。
朝か、、、、
見覚えのない天井、知らないベット。
それが昨日のことは夢じゃないんだと思い知る。
今は一体何時なんだろう
カバンに入っている携帯をベットに横になったまま手探りで探す。
6:30
学校、、、、
いや、今日は土曜日だった。
携帯のロックを解除するとメッセージが二件きていた
1つは母親から
【外泊するなら前もって言いなさい】
というもの。
まぁ女じゃないんだし、一晩帰ってこないぐらい心配しないか。
もう1つは礼央から
【どこにいるの?】
相変わらず過保護だ。
親でもそんなに心配してないのに、、、、
その優しさがまた僕を傷つける。
返信はやめておこう。
真壁の家にいるなんて言えないし、嘘ついてもバレる気がする。
そんなことを考えていると部屋のドアが開いた。
「あ、起きた」
真壁が部活のジャージを着て入ってきた。
気まずい空気が2人の間に流れる。
『、、、部活いくの?』
堪らなくなってわかりきった質問をしてしまった。
「うん、今日は午前中だけ」
ああ、だから礼央は今日の映画のチケットを買ったのか。
あのマネージャーの子と行くために。
「身体、平気?」
『え?』
真壁が僕の身体のことを心配するなんて思ってもいなかったから、つい驚いてしまった。
『平気だよ』
昨日のことはあんまり話題に出したくない。
自分勝手だと自分でも思うけど、話題を切り替えたくて仕方ない。
本棚に目を移すと大量のミステリー小説が置かれていた。
『小説好きなの?』
「え?ああ、本読んでると落ち着くし」
以外だな。
このまま本の話で昨日のことをうやむやにしてしまおうか。
そう思っていた矢先
「昨日のことだけどさ」
真壁が冷めた目でぼくを見つめた。
「一回試しに付き合ってみる?」
『え』
真壁が発した言葉は思いもよらないものだった。
どういう意味だ。
僕は礼央のことが好きなんだから、真壁と付き合うなんて
そもそも、男同士で付き合ってどうするんだ
「礼央先輩のこと好きなままでいいから」
『断ったらどうするの』
「昨日のことバラす」
なっ!!!
そんなの脅迫じゃないか
「なーんて嘘に決まってんだろ。失恋には日にち薬に男薬って言うだろ。男忘れるには新しい男じゃない?」
こいつ、、本気で言ってるのか。
僕と付き合ってもお互いなんのメリットもないだろう
『なんで僕と付き合いたいの』
お得意の気まぐれなのか。
ただからかってるだけなのか
「さぁね」
真壁は質問に答えず、ただ僕を見つめた。
その目はひどく冷めていて、僕は軽蔑されているように感じた。
実際されてもおかしくないことをしてしまったのだけれど
「寂しさ紛らわすために利用したなら、最後まで利用したら?」
利用、、、
確かに昨夜、僕は真壁を利用した。
それをこいつも気づいていたのか。
「、、、俺のこと、、、利用していいよ」
実際、その時は寂しさは忘れた。
頭が真っ白になって、何も考えてなかった。
この寂しさを忘れられるなら。
『忘れないと思うよ、、、礼央のこと』
小さく呟くと真壁が僕の隣に座った。
「わかってるよ」
真壁の手が僕の顔に触れた。
そして、
何回目かのキス、、
きっと僕は地獄に落ちる
お互いの唇が離れた時、真壁が少し切ない顔をした気がした。
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