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1日目
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「あっははははは(笑)ほら真壁!いらっしゃいませって言えよー!!!」
文化祭当日、僕と忠は約束通り真壁のクラスの喫茶店に来ていた。
そこにはベストにネクタイを締めて、エプロンをつけた真壁の姿、、、、
見た目はかっこいいけど、ノリ気じゃないのかものすごく無愛想な対応だった
「いらっしゃいませー」
「棒読みじゃねーか!!!」
忠が真壁のことをこれでもかというくらいからかう
もともとコミュニケーション能力が高い忠は、基本誰にでも気さくに話しかける。
「うるせぇな。俺が呼んだのは真琴だ。あんたは呼んでないですよ」
「お前、その先輩に対して敬語使うか使わないかはっきりしろ!!!」
使わないなら使わないでいいのか
2人の漫才のようなやり取りを見て僕は隣で笑っていた。
「真琴、なんか食べてく?」
『そうだね、せっかくだし』
幸いまだ午前中でそんなに混んでもいなかった。
僕と忠は窓際の席に腰をかけて、ホットケーキを注文した。
真壁は注文を聴くと了解と言って裏に入っていってしまった。
こうしてみると、ほんとにあいつかっこいいよな。
ベストにネクタイという格好がまたスタイルがいいからよく似合うんだろうな。
「礼央とは仲直りできた?」
忠が笑顔で聞いて来た。
礼央と僕がギスギスしているのを誰よりも心配していたし
あの時、忠が礼央を呼んでくるように言ってくれなければ、きっと今も礼央と笑って話せていなかったと思う。
『うん、忠のおかげだよ』
「やっぱり2人には仲良くしてないと嫌なんだよな!」
忠はそう言いながら満面の笑みを浮かべた。
いつもヘラヘラしているように見えるけど、実は周りのことを本当によく見ている。
誰とでも仲良くできて誰からも好かれる。
忠は本当にいい友達だ。
「2人が笑ってるの見ると安心するんだよな」
忠はそういうと恥ずかしそうに笑った。
そんな友達思いの忠につられて僕も笑う。
「おまたせしました」
忠と笑って話していると、相変わらず無愛想な店員が僕らの前にホットケーキを置いた。
出されたホットケーキはそこら辺の喫茶店にも劣らないほどふわふわでとても美味しそうだった。
「すごいふわふわだな」
『うん、おいしそう』
僕と忠が興奮気味に真壁にいった。
「コツがあってさ、マヨネーズほんとの少しだけ入れるとよく膨らむんだよ」
知らなかった知識を教わりながらホットケーキを食べる。
「真琴、明日の後夜祭、、、予定ある?」
真壁が周りに聞こえないような小さな声で聞いて来た。
『後夜祭?』
後夜祭は体育祭の後に行われる。
毎年、当たり前のように礼央と忠と行動していたけど、今年はレオには彼女がいるから、、、、
「毎年礼央と真琴と俺で行動してるよ。多分今年も!」
真壁は忠のに背を向けていたが、この一言で忠の方を向いた。
少し機嫌が悪そうだ
「礼央先輩は彼女と動くんじゃないですか?」
「さぁ、どうだろうね。でもうまくいってないらしいし」
ん?礼央と彼女、、、うまくいってないのか。
あまり、2人でいるところを見ないし、というか見ないようにしてたから、2人がどんな雰囲気なのか知らないからな
「真琴、また返事連絡して」
真壁はそう言って、他の客の注文を取りに行った。
真壁がいなくなってから、僕は忠に気になったことを聞こうか、それとも聞かないでおこうかまよっていると
「俺の言ったことが気になる?」
『え?』
逆に忠が僕に質問して来た。
「礼央があんまり相手してくれないんだとさ」
『彼女から聞いたの?』
「特に最近、一緒にいるときも上の空で、自分じゃない誰かのことを考えてるんじゃないかって」
忠は、そういうと、僕のことを見て
「誰のこと考えてるのかな」
真面目な顔で言ってきた。
『さぁ、、、、』
僕も、忠もそれ以上は何も言わなかった。
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