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すれ違う
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「シュン〜、おはよぉ!」
「ルイ…はよ」
大広間で朝ごはんを食べているといつも通り
ルイが隣に座ってくる。
「今日もテストだよぉ…もう死んじゃうよねぇ〜」
「1週間あるうちまだ2日目だぞ」
今、ブリュンティエールではテスト期間で
学園中慌ただしく見えた。
最上級生にとっては大学への推薦にも
関わる大切なテストになってくる。
「シュン、ルイ、おはよう」
「おはよーう」
聞き慣れた声に2人で後ろを振り返ると、
案の定エリックとゼンがお盆を片手に立っていた。
「あれ、シュン…朝シャワー浴びた?
髪が少し濡れてるよ?」
エリックの伸ばされた手
その瞬間
『裏切り者』
頭の奥でアイツの声が聞こえて
パシリとエリックの手を思いっきり
払い除けてしまい、ピシャリと乾いた音がした
驚き、目を見開くエリック
今までの、若干の照れ隠しのあるそれとは違う
確かな嫌悪による行動
一瞬で空気が凍りつくのがわかった
早く、
何か、言わなきゃ
喉がキュッと締め付けられる感覚になる
「っあ、…えと、ごめんねシュン。
風邪、引かないようにね」
じゃあ、また。
そう微笑んで、自分の寮のテーブルまで
行ってしまったエリック
ゼンは驚いて俺とエリックを交互に見た後
「シュンちゃん、テストできっと疲れてるんだよ。
気にすんなヨ」そう言って急いでエリックを
追いかけていった
呆然と眺めていたルイは、静かに口を開いた
「エリックと…ケンカしてるの?」
「…してない。」
ただちょっと
ちょっと
前と何かが違うだけ
お互い学年も違うからこの時期はどうしても
忙しくなる。それにフランス大会から
ヨーロッパ大会まではかなり時間が空き
4人で集まることも少ない
これで、いい
深く関わりすぎると
後で傷が深くなるから。
それに、俺は…
いつだって、1人だったじゃないか。
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