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伝えられない言葉〜ルイ
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***
いつもより少しだけ暖かい日の午後
廊下を友達と話したり、小走りだったり、
ゆっくり歩いている生徒達の集団の中に、
1人だけ黒い色違いの制服の人物を見つけた
「シュ〜ン!」
クルリと振り向いたシュンは相変わらず
今日も美人だった。
「ルイ…」
遠くからだからわからなかったけれど、
近寄って見たシュンはいつもより白すぎた…
むしろ青白く、どこか疲れてるようにも見えた
「シュンどうしたの〜?具合悪いの〜?」
「え?…なんともないけど」
嘘だ
目の下には隈があるし、
よく寝れてないのかなぁ…
「シュン…次は実習なのぉ?」
「あぁ、2,3年合同で」
とすると…エリックがいるのかぁ
相変わらず2人は険悪とはいかないけれど、
変な空気が流れていた。
「ねぇ、シュン…無理しないでねぇ?
次の授業終わったら、休んだ方がいいよぉ」
「いや、ダメだ。次が終わったらもう一つ
授業を受けないと」
何だろう…
どこか、自暴自棄にも見えた
勉強やスイーツを作ることによって、
何かから逃れてる見たい…
シュンがかなりストイックなのは知ってるけど、
最近は度を超してる気がする
どうしてかなぁ…
その理由が知りたい、何か少しでも
シュンの力になりたい
「シュン…何かあったら言ってよぉ。
僕、シュンが疲れてる所とか、
悲しい所みたくないよ〜」
僕がそう言うと、シュンは一瞬悲しそうに
目を伏せて少し、控えめに微笑んだ
「…ルイは、優しいな」
当たり前だよ…だって、シュンが大好きだもん……
言えない言葉は、小さなキャンディーみたいに
心にコロンと落ちた
「シュ…「じゃあ、そろそろ行くから。
またな、ルイ」
ポンッと頭に乗せられたシュンの手
…たまに、見せるこういうところが
本当にタラシだなって思うよぉ。
綺麗なくせに強い
可愛いくせにかっこいい
好きだけど、好きなっちゃいけない
でもシュンといる度に思いは増してく
「エリックはいいなぁ…」
例え今、2人の仲がそれほどよくないにしても…
シェールで、同じパティシエコースで…
シュンの隣に立てるエリックが、羨ましい
こんなこと考える自分が嫌い…でも、
「どうしようもないじゃん…」
後ろから足音が聞こえる。きっとゼンだ。
僕は振り返って早く行くよ、って
何事もなかったかのようにゼンを急かすんだ
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