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僕たちは
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「たろー」
「んー?」
みいくんに呼ばれてベッドから体を起こした。
通信制の高校に入学してもう3ヶ月。
と、いうことはみいくんの家にルームシェアするようになってから3ヶ月たったということだ。
母さん元気にしてるかな。
最近いつも考える。高校を中退して、大ちゃんの家に住み着いて遊んでばっかりして、迷惑をいっぱいかけてしまった時、母さんはずっと泣いてたんだ。
けど、高校にまた行くようになってからは、みいくんの家に米やばあちゃんちの野菜を送ってくる。
だから、そのぶん勉強を頑張って親孝行することが今の夢だ。
まあ、時々遊びにやって来て、俺らの関係がバレないかってヒヤヒヤもしたりするんだけど。
「わっ」
起きあがったというのに、上からみいくんがのし掛かってきてまたベッドの中へと体が沈む。
く、苦しい。
上に乗ったみいくんの肩を押しやろうと力をいれたけど全く敵わない。
俺がちびじゃなければ…。
「もー!どいてよっ…」
「やだー」
「苦しいってっ、わ、っもー!」
その上から布団を被せられ羽交い締めにされた。布団越しでぎゅっと強く抱き締められる。
正直いって苦しいうえに、邪魔でしかない。
やっと布団地獄から解放されて空気を思いきり吸ってすっとした。
みいくんはいっつも変な嫌がらせをしてくるから困る。
「ぷはっ、はあ…もうっ、こういうのやめて!」
「…ははは、可愛い、たろ大好きっ」
「うん、あのっ重いよ…っ」
最初会った時だってそうだ。宇宙人扱いしたりとか疑似愛撫とか…あと…。
みいくんとのことを思い出す。初めて単車に乗ったこと、初めて夜遊びをしたこと、初めてお酒を飲んだこと、その勢いで襲われそうになって喧嘩になって気まずくなったこと…。
あといつも手を繋がれてたこと…襲われそうになってから怖くて仕方がなかったこと…それとあっ、DSのタッチペンが無くなった時みいくんを疑って怒らせたっけ…。
うわあ、懐かしい。
あの時は松村くんって呼んでたなあ。
「松村くん」
「あっ、なに?たろキレてんの?」
「って、呼んでたなぁって思って」
「そりゃあ大吾だけ大ちゃんで、俺だけ松村くんだよ?ウザいじゃん」
「だって大ちゃんと仲良かったから」
「いや……まあ、親友だからなぁ、悪く言えんけどさぁ……でも俺とたろ引き離しといて…あーマジ無いわ」
そういえばそんなこともあった。
ずっとみいくんとは会えないと思ってた。大ちゃんも会わせてくれなかったし、ずっと会えないと思ってた。
次に会えた時みいくんは自分のことを王子様って言ってたっけ。変わらないなあって思ったけれど、みいくんを見た瞬間、涙が止まらなかったのだけは覚えてる。
そして王子様だって俺も思った。
初めてエッチしたときもその時で、痛かったけどやめてほしくなかった。
今は痛いときは痛いって言うけど。
本当にバタバタした一年間で、初めて恋って大変なんだなって思った。
大変な人を好きになってしまったからなんだけど、いろんなことがあったぶん、みいくんのことが大事ですごく好きで、今の時間がとても嬉しい。
「みいくん…」
「ん?」
「やっぱりなんでもない」
「えーなになに?気になるー」
会えてよかったって、心の底で思っただけ。
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