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俺は鵜飼さんから貰ったDVDをセットしヘッドホンをつけスコアブックをつけ始めた
試合を三周ほど見終わった頃に漸く一息つく気になり振り返るとお盆に乗った湯飲みが見える
黙っておいていったばあちゃんの顔が思い浮かぶ
きっとふふって感じで笑っていたに違いない
手に取れば少し冷めている
それでもまだ飲み頃をキープしている所を見ればばあちゃんがついさっきもって来てくれたのだと分かった
それを一気に飲みきり1階に下りていくとまだテレビの前にばあちゃんが座っていた
「まだ起きてたの?」
「んー?この番組面白くてねぇ。でもそろそろ寝よっかね」
「そっか」
きっと俺が起きてたから起きてたんだろう
だって今ばあちゃんが見てるテレビただのニュース番組だ
「あやちゃんはねんこしねの?」
「あー。もうちょっと、あと少しまとめたら寝るよ」
「んだが。せば、ばあちゃんもねんこするかな」
「おう、おやすみ。ばあちゃん」
「おやすみ。あやちゃん」
ばあちゃんが立ち上がり台所に自分の湯飲みを下げる
「明日、試合なんだって。がんばっでな」
「頑張るのは俺じゃないよ。でも、ありがとう」
「せばね」
せばね?
ばあちゃんは俺にその続きを言わずに去っていった
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