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試合は
烏野14-14梟谷
サーブ俺
この一点を取った方が勝つ
ここまでサイドスピンサーブを打っていたが最後くらい俺だって練習した事をしてもいいだろ
そう思い、9歩数える
笛が鳴る
額にボールをくっつけゆっくりと息を吐く
サーブは苦手だ
けど、それでも勝負できるのにしないなんてもったいない
右手でボールをあげる。そして
打つっ!
ジャンプした瞬間、違和感を感じた
着地した瞬間、左ひざに激痛がはしる
それを隠しコートに入った
ボールが返ってきて夕が取る
相手のブロックの位置などわからない
味方のテンポも確認できない
脂汗が出てくる
誰にも悟られたくない
きれいに帰ってきたボールを田中に上げた
田中のスパイクはブロックに止められた
試合終了
烏野14-15梟谷
「大丈夫か?綾斗。足」
ベンチに戻る時、珍しく夕が小さな声で俺に話し掛けてきた
「おう。絶好調」
地面に着くたびずきずきと痛む足を悟られないように歩きながら俺は夕に笑って答えた
鵜飼さんの話が終わり今日の練習は終わった
俺はへらへらと笑いながら体育館をでる
体育館が見えなくなり保健室に入った
冷凍庫から氷を出しアイシングをする
適当な壁に寄りかかり下唇を噛みながら痛みに耐える
誰にも知られたくない
もう、バレーを取られたくない
ガラガラ
そう思うのに無常にも保健室の扉は開かれた
side 孤爪研磨
翔陽の練習にこれ以上付き合わされる前に逃げてくると保健室からうめき声が聞こえた
嫌な予感がして、いつもだったらスルーするはずなのに俺は保健室の扉を開けた
そこには左ひざを抱えている綾斗がいた
俺を見ると綾斗は目を見開き驚いた顔をしたが、すぐにいつもの顔にもどりにこりと笑う
「け、研磨くん。俺は久しぶりにやったから念を入れてクールダウンしてる所。研磨くんはどうしたの?怪我?俺が見ようか?」
綾斗が立ち上がろうとするので肩に手を置いて止めた
「俺は、怪我してない。膝痛いの?」
「ん?大丈夫だよ?じゃぁ俺行くから」
また立ち上がろうとする綾斗を俺は止めた
「大丈夫。クロにも言わないから」
だから
「ここにもう少しいなよ」
俺は保健室を見渡し冷凍庫から氷を取り出し、氷水を作る
「焦ってるのバレバレ。アイシングは氷水じゃなきゃ駄目だよ」
ビニール袋に氷だけを入れたのでアイシングって、いつも冷静な綾斗では考えられない
俺は氷水を入れたビニール袋をガーゼに包み綾斗の膝に当てる
「ありがとう。研磨くん」
痛みで少しゆがんだ顔すらも色気があってどきっとする
・・・心臓に悪い
「ん?なんか言った?研磨くん」
「・・・別に、ちょっと待ってて」
俺は保健室を出て自分の荷物を取りに行く
確か前にクロにもらった痛み止めを持っていたはずだ
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