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俺は第3体育館に入る
「ルールは俺の後ろにボールが落ちたら終わりでいいですよね?」
コートに入る前に俺がそう言うとそれに声を上げたのは蛍だった
「え?綾斗さん?」
俺はそれを無視する
「木兎さん、最初っから本気できてくださいね?夕食間に合わなくなっちゃうんで」
俺は木兎さんとネットを挟んで向かい合う
息を吸い目を瞑る
「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム、我は求め訴えたり」
小さな声で唱えた
「赤葦、始めよう。時間がなくなる」
「とんだ自信だなーっ田所綾斗!」
「事実なので」
にっと屈託なく笑う木兎さん
それを心配そうに見ている赤葦
コートのネット際で顔をゆがめている蛍とそれをみて笑っているクロさん
俺と木兎さんの戦いが始まる
「赤葦もう一本」
俺はそう赤葦に言った
怪我が悪化した膝はもう限界を迎えている
それでも俺は辞めなかった
「ちょっと!綾斗さん!それ以上は怪我が!!」
「蛍は黙ってろ」
蛍を睨みつけ黙らせる
「赤葦、もう一本」
もう1度俺は赤葦に声をかけた
「田所さん。木兎さんも疲れてきてるし、今日はこの辺にしておきませんか?」
「俺は最初に言っただろ?俺の後ろにボールが落ちたら終わりだって。で?ボールは落ちたか?」
「あかーしっ!もう一本だっ」
赤葦の舌打ちが聞こえた
それと同時にボールがあがる
バチッッッン
「ちっくしょぉーーーっ」
ボールは木兎さんの後ろに落ちた
これで35本目
「木兎さん肘下がってきてますよ?全国5本の指ってこんなもんですか」
「あかぁーし!もう一本!」
赤葦がこちらを睨みながらトスを上げる
俺はニヒルに笑ってやった
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