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目論見の行方
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”動揺”
どこで俺はボロをだした?
そんな事していないはずだ
確かにバレーから少し離れた
けど、それでもトレーニングもコーチングもいつも通りやった
いつもと違う事をしたかもしれないが疑われるほどじゃないはず
「誰がそんな事言った?」
俺は一歩、蛍に近づく
「誰だ?俺は怪我なんてしていない。悪化なんてしていないっ!」
蛍も一歩俺に近づく
「じゃぁしていなくてもいいです!もうやめてください!そっんな楽しくなさそうなバレーやってる綾斗さんなんて見たくありません!!」
俺がバレーを楽しんでいなかった?
烏野での数ヶ月がフラッシュバックする
みんなが俺に笑いかけている顔が浮かぶ
あぁそうだ。おれはもう苦しくて辛いバレーをしたいんじゃない
楽しくバレーがしたいんだ
そして俺がいる烏野高校排球部はそんな俺を許してくれる
「綾斗さん!」
気づいた時には蛍の腕の中だった
足に力が入らない
「いきなり倒れないで下さい。間に合わなかったらどうするんですか」
「馬鹿。倒れるのにいきなり以外あったら、それは仮病だろ」
なんか気持ちがふわふわする
今までピリピリしてたせいだろうか
「綾斗さんはいきなり過ぎです。もっとこっちの事も考えてください」
「む。生意気な」
あー膝が痛い
ついでに右肘も地味に痛い
「どーも」
はぁ今日は蛍に勝てそうにないや
「けぇー。足に力はいんないからおぶって行ってー」
「どうしたんですか、急に。甘えん坊になんかなっちゃって」
「なんだよー。いいだろー蛍」
文句を言いながらも蛍は俺を支えがなら背中を向ける
俺はその背中に乗った
幸せだ
心配してくれる人がいるってのはこんなに幸せなものなのか
「じゃぁ僕、綾斗さんの事連れて行かないと行けないので今日はこれで」
蛍はみんなの方に一礼をした
「おい綾斗。俺がおんぶしてもいいんだぜ?」
「今日はクロさんやー」
少しのりだし気味のクロさんにプイっと顔を背ける
蛍は俺をおんぶしたまま体育館をでた
「なんですか?あれは。反則じゃないですか」
「あぁ俺までも田所綾斗の毒牙に掛かる所だった」
赤葦と木兎さんの声は俺には届かなかったが蛍には届いたらしく
なにやら肩を揺らして蛍は笑っていた
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