アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
熱の後
-
「おー起きたかー」
目が覚めると親父と同い年とは思えない童顔の男が茶髪にダメージジーンズ、少し皺のついた白衣という出で立ちの立花さんが枕元にしゃがんでいた
「あ、おはよー立花さん」
「おはよーじゃねぇだろ。たく、バレーはもうむりだっつったろ。ボケ」
仕事柄時間がない立花さんは相変わらず早口でそう罵倒してきた
「いやぁーごめーん」
「ごめーん。じゃねぇ、ごめんじゃ」
「あ、あの。烏野高校バレー部の顧問をしています。武田と言います」
武ちゃんの声がして周りを見渡せば烏野が全員集合していた
はは、みんな心配そうだ
大丈夫なのに
「この度は誠に申し訳ありません!それであの、田所くんの容体は?」
立花さんは武ちゃんの方を振り返りもせず手をひらひらと振る
「あー大丈夫大丈夫。先生が謝る事じゃねーよ。このバレー馬鹿が自分の体の加減ってもんを知らないのが悪いんだからよ」
立花さんは俺の額をぺしぺし叩いたり頬を片手でムニッと掴んでくる
「そもそもこいつの体は激しいスポーツが出来るように出来ちゃいねーんだ。それなのに中学の時も今も無理しやがって。好きなら少しは加減しろっつってんだろ」
「ははは。面目ない」
「ま、もう大体いつもの調子に戻ってきてるみてーだし。明日にはけろっとしてるだろうよ」
立花さんは立ち上がり出口に向かう
「じゃ、先生。こいつの事よろしくな。俺はもう病院に戻るから」
「ん。ありがとー立花さん」
出口まで来ると立花さんは振り返った
「あー先生。俺、こいつの親の代理ね。ここの両親海外にいてさ、どこの国にいるかもわかんねーしいつ連絡つくかわかんねーから。んじゃそう言うことでよろしく~」
相変わらずの嵐
昔から変わらない嵐のような人だ
これで老若男女誰にでも好かれ、人望の厚い人だって言うんだから俺にとっては少し不思議だ
しばらくの沈黙のあとみんなが俺の元へと駆け寄ってきた
「どういうことか説明してもらおうか。なぁ綾斗」
始めに口を開いたのは大地さんだった
「あー、んーと、どこから説明が必要でしょうか」
「最初っからに決まってるだろうが、まずはお前の体のことから」
身を乗り出し田中が言う
その話、長くなりそうだなー
「まぁまぁ澤村くん、田中くんも。今日はもう遅いですし、その話は明日にしましょう。みんなも今日はもう寝ましょう。田所くんもまだ本調子ではないですし」
「すみません。先生。俺たちこのままじゃ寝れません」
「俺たち綾斗が膝庇ってるの知ってたんです」
「知ってて、見ない振りしてました」
「俺たちにも責任があるんです。仲間として」
「だから、綾斗の話を聞くまで寝れません。な、綾斗」
武ちゃんがそう言うと大地さん、スガさん、旭さん、夕が口々にそういい
力が最後ににかりと笑って俺をみる
「力が一番怖いわー」
俺は布団から起き上がった
「まずは俺の体について、でいいんですよね」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
102 / 136