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手術
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大地さんと別れ後、俺は誰もいない隅の方で左手で目を覆い上を見上げる
結局、何も解決はしなかった
意を決して臨んだのにも関わらずだ
嫌われたくないもう二度と中学の時のようなことにはなりたくない
それだけなのに
なんで、こうなる
「大丈夫?綾斗」
声に驚き、左手を離し前を見ると研磨くんがいた
「研磨くん。大丈夫だよ、ありがとう」
「綾斗って無理してる時、いつもそう言う顔するね。保健室にいる時もその次の日の夜も同じ顔した」
研磨くんは俺の言葉を無視するかのように俺の隣にしゃがんでゲームをし始める
俺もなんとなく研磨くんに合わせてしゃがんだ
「綾斗はクロの事嫌い?」
「え?別に。あーでも信じてはいるのかな。多分、俺のことを嫌いにはならないでくれる人だろうなーって」
「そっか、じゃぁ俺は?」
「え?研磨くん」
隣をみても変わらない表情のまま研磨くんはゲームをしていた
「そ、俺の事はどうおもってるの?」
「一緒に居て安心かな。研磨くんってなんて言うんだろ。落ち着く空気感って言うのかな。そう言うのが出てるよね」
「ふーん。綾斗は俺とクロ、どっちが好き?」
さして興味がないようなその口調なのにいつもより口数の多い研磨くんに疑問を抱くがその真意を俺は聞けない
そんな勇気がない
「え?あー研磨くんかな。クロさんといると落ち着かないし」
「それって俺には脈ないってことだね」
研磨くんはゲームの手を止めた
「え?脈?」
ゲームの手を止め俺を見る研磨くんの目はまるでねずみを見つけた時の猫のように見える
「綾斗はさ、俺のこと一切見てないよね。バレーの時も他の時も。まぁ、セッターとしてそんな能力高くないし。俺になんて興味ないよね。綾斗は」
「えっと、研磨くん?」
目を見て話しているのに何も読み取れない
「俺は、俺は綾斗に興味あるから。翔陽よりも綾斗に興味あるなんていったら困らせる?」
「話が読めないんだけど、研磨くん」
「読めないんじゃなくて、読みたくないの間違い」
「え。」
「別にいいけど、そうやって誰にでもいい顔してたら付け込まれるよ?例えば俺とか」
スルリと立ち上がる研磨くんを目で追っていた俺は思わず顔を上げる
少し屈み研磨くんは俺の額にキスを落とした
「研磨くん!?」
今度は俺の頬に手を添えてより上を向かされる
そのまま唇が俺の唇に優しく触れる
「拒まないのはこういう事みんなにされたいって事?綾斗は変態だね」
こんな研磨くん俺は知らない
研磨くんはもっと穏やかで俺なんかが声かけてもすぐどっか行っちゃう様なそんな彼しか俺は知らない
「殴って止めればいいのかな。そんな事、俺には出来ないよ」
素直にそう言うと研磨くんは俺の髪の毛をくしゃりと撫でた
「だから付け込まれるんだよ」
すぐに俺の髪の毛を離し研磨くんは足早に去っていく
残された俺は乾いた笑いしか出なかった
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