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狂おしい少年。
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駅につき、電車を降りる。
あ、そうだ。指輪…。
「あず…」
「梓?」
俺が呼ぶ声に誰か別の人の梓を呼ぶ声が重なった。
え…?
声のする方を向くと、長身の(多分俺くらいはあるだろうか)30代後半くらいの、品の良さそうな男が立っていた。
男は梓を見ると優しく微笑みながら一歩近付く。
「やっ…」
俺にしか聞こえないほど小さい声でそう呟くと、梓は男に合わせて一歩下がり、俺の服の袖をぎゅっと掴んだ。
男は立ち止まり、困惑したような表情を浮かべると、俺に目を向けて紳士的な笑顔でお辞儀をした。
俺もつられて頭を下げる。
えっと…。
誰だ…?
「さあ、梓。もう遅いよ。家に帰ろう?」
そう述べて手をさし伸ばす。
家…。
この男は…。
状況を少し把握すると梓を見る。
梓は、俺の服の袖を掴んだまま、どうすればいいのか分からないといった顔で目を泳がせている。
額には薄っすらと汗をかいていて、服の袖を掴む手は心なしか震えている。
俺は確信した。
この男が、梓の叔父さんだ…。
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