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記憶の少年。ー梓の場合ー
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あの日から叔父さんは僕の顔を見ると怖い顔をした。
時々殴られた。
外からは見えないところを蹴られた。
そのまま、乱暴に抱かれる。
毎日そんなことの繰り返しだった。
最初は声を上げて泣いて抵抗していたが、数日も続けばそんな気力どこにもなかった。
高2の始め、新学期が始まる頃から外出する事を禁じられた。
学校にも行かせてもらえなかった。
そのうち服も着させてもらえなくなって、裸でベットの上で一日を終える様になった。
誰も居ない部屋で一人、僕は声を殺して泣いた。
夜になると叔父さんが帰ってくることが怖くて怖くて吐きそうになった。
どうしてあんな風になってしまったのか、僕には全くわからない。
僕は何か、叔父さんにしてしまっていたのだろうか。
叔父さんを怒らせる様な何かを。
だって、昔はあんなに優しかった。
頭を撫でる手も、僕を見る目も。
…分からない。
心当たりが無い…。
なんで……?
………いや。
心当たり…。
確か、あの頃から少し声が低くなった。
声変わりというらしい。
少しずつ大人になってきているのだと。
だとすれば、原因はこれなのだろうか?
成長するにつれて、僕がお母さんと似なくなってしまって、それで怒ったのだろうか。
叔父さんは、僕にお母さんを重ねていたから…。
…いや、そんな事で叔父さんは怒らないと思う。
じゃあ、何だろう…。
がっかりしたのかな…?
絶望したの…?
………………そっか。
がっかりしたのか…。
また、お母さんを失ってしまった事に絶望してしまったのか…。
そっか………。
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