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カスミソウ。
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それから、猛勉強をして、春。
僕は、浩太さんと同じ大学に通えることになった。
あれから、もう半年以上が経つ。
叔父さんとは、あれ以来時々会うようになった。
浩太さんがあの後、駅で叔父さんに声をかけられ、これからのことをお話ししたらしい。
学費は、高校卒業後も、大学卒業まで出してくれるらしい。
「時々、会ってほしいってさ」
そう言った浩太さんの顔は優しそうで、一体叔父さんとどんな話をしたのか気になるけど、僕にはきっと少し難しいから、もう少し大人になったら聞こうと思う。
明日はいよいよ入学式だ。
ファミレスで、ぎこちなくもあの頃のように笑う叔父さんの前で僕は近状報告をしたり、これから始まるであろう楽しい大学生活について思いを巡らせていた。
「もう、大学生になるんだな…」
そう呟いた叔父さんは今までに見たこともない程、愛おしそうに優しい目をしていた。
僕は、嬉しくなって、たどたどしくもいろいろな話をした。
浩太さんと遊びに行った話とか、家事のお手伝いの話とか、まだ料理はさせてもらえないとか、そんな、他愛もない話。
今、僕の前にいるのは、昔のように優しく笑う、僕の大好きだった叔父さんだ。
「気をつけて帰りなさい。梓」
「はい」
挨拶を交わして、ファミレスを出てすぐのところで別れた。
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