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アンスリウム。
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今朝の朝ごはんは、僕が好きなホットケーキだった。
浩太さんがいっぱい焼いてくれて、僕がいっぱい食べてると、焦らないのって笑った。
そんな小さな事が幸せで、胸がドキドキほわほわする。
だけど…。
「おはよう」
「おはよう。奏」
「梓君も、おはよう」
「…お、はよう…ござい、ます…」
浩太さんとの別れ際、後ろから声をかけられた。
ズキって、胸が痛くなる。
挨拶されただけなのに。
浩太さんとたた話しているだけなのに。
胸がモヤモヤして気持ち悪くなる。
「ぼ、僕…その、も、う…行きます…それじゃ…」
「え?あ、うん。じゃあ、またあとでな。梓」
半ば強引にその場をあとにして、驚く浩太さんにも反応出来ずに、小走りで逃げた。
気持ち悪い…。
何だろう…これ…。
講義に遅れそうだったものの、走ったおかげで間に合った僕は、後ろの席に座ろうとキョロキョロとあたりを見回す。
真ん中の方が、いいかな…。
出来れば通路側に座りたい。
そう思って居ると、ちょうどいいところを見つけた。
けれど、その席の隣に人がいる。
他にも空いている席があるのにわざわざ隣に座りに行くのは、不自然だろうか…。
コンマ数秒程考えたが、たくさん居るなら未だしも、あっちも一人だし、別にいいかなという結論に達して、僕は席に向かった。
けど、一応尋ねた方がいいよね。
そう思い、ノートを見つめている彼に声をかけた。
「…あ、あの…っ!と、隣…り、い、いいです、か…?」
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