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エンジリウム
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「はあー…」
大学につき、謙太郎と会って早々にお互いのため息が被った。
「…ど、どうか、したの…?」
僕がそう聞くと、謙太郎は空いている席を探しながら唸るようななんとも言えない返事をした。
端の方に空いている席を見つけ二人でそこへ腰掛ける。
授業が始まるまで時間はあり、まだ教室にも人は少ない。
謙太郎は席に着くと頬杖をつき、また溜息をこぼした。
僕がオドオドと謙太郎の様子を伺っていると、謙太郎はポツリポツリと話し始めた。
「ごめんな。せっかくのデートなのに」
「えっ…あ、うん。大丈夫だよ」
嘘。
「奏さんなんだ。俺の好きな人」
「…え…?」
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