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ヒナギク
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奏からのお願いを、断るべきだったとあの後何度も思った。
やっぱり、恋人にとってとても失礼な事だったと思う。
自分でも気づける程度には無神経だったと思う。
奏からも、どうしてなのか、理由をはっきり聞いていない。
尋ねると黙り込んでしまうから。
今も、謙太郎君が必死に話しかけているけど、身も蓋もない返事ばかりで、謙太郎君が可哀想に思える。
ショッピングモールの中をぶらぶらと見ながら歩いて、時々アイスが売ってたり、ファーストフードが小さく展開していたりした。
「あ、奏さん!クレープとかありますよ、食べませんか?」
「いらない」
だから、そういう答え方するなよ奏…。
たぶん、最近機嫌がよかったのも謙太郎君絡み。
これも、謙太郎君絡みなのだろうな…。
俺は機嫌を伺うように梓にも指を差して尋ねた。
「梓は?クレープ、食べる?」
チラッと横目で見ると梓は一瞬目を輝かせて、ハッとしたように俯くと、小さく頷いた。
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