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ある日。
夜、ママが帰ってくると僕の首を掴んでそのままクローゼットと中に服と一緒に押し込んだ。
僕の腕の中では春が気持ちよさそうにおやすみしてて。
「ママ、…」
「黙れ。物音一つ立てるな。」
「ぅ……でも、…春、夜になると、泣く…から…っ、…たまに、…」
「泣いたら鼻と口を塞げ。」
「ふ、さぐ…」
「こうだ。」
そう言ってママが僕の鼻と口に手を当てる。
苦しくて、息ができない。
苦しいよ苦しいよって言いたいのに声なんて出ない。
目が熱くなって目からお水が出て春のほっぺたに落ちる。
「ぅ、…っ、うわぁ、あああ、!!」
「ぅ"…っ、…」
春、泣いちゃダメ。
泣いたらママ怒っちゃうよ。
泣くのはダメ。
お願いママ やめて。
「黙れ、黙れ黙れ!!」
「っぅ"、っぁ…ママ、やめて…っ」
「黙れ!!私に指図するな、殺す…っお前もお前も死ね!!」
「ママやだ…っ、やだ…春は…だめ、…」
ママが春に向かって何度も手を伸ばすのを届かないように頑張って春を隠す。
ママの手が、足が僕を何度も叩きつけて痛い。
春は僕の腕の中で大きな声で泣く。
僕は春を守るんだ。
鼻も口もふさがない。
「……はぁ、…っ…春、こわくないよ。こわくない。お兄ちゃん…いるから。」
「あ、ぅっ…」
「いいこだよ、…ね。」
春を抱きしめて目を閉じた。
僕は大丈夫。
だからね。春も大丈夫だよ。
泣かないで。
「そのままそこにいろ。1言も、話すな。」
「…うん。」
クローゼットの扉が閉じて真っ暗になる。
僕は春を抱きしめて背中をトントンと叩いていつも通りにおやすみさせる。
外から知らない誰かの声とママの優しい声が聞こえてきた。
この時がすごく怖いんだ。
僕はただ 春を抱きしめて
なんにも 聞こえないふりをした。
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