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補習 2
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「うう……疲れた……」
俺はコーヒーの缶を、雪はいちごミルクの缶をそれぞれ開けながら歩いた。
「疲れたってまだ補習1日目だろ。そもそも勉強しなかったお前が悪い」
「そんなこと分かってるけど~。勉強しなくてもいけるかなって思って」
唇を尖らせてこちらを見る。
「今日から必修科目の勉強も教えてやる」
「え!?まだ勉強するの!?爽ちゃんの鬼!!」
日頃の恨みだ。目いっぱい勉強させてやろうじゃねえか。
ほくそ笑む俺は缶コーヒーを飲み干した。
ガチャりと、家の鍵を開ける。
「さーて、手始めにお前の苦手な英語から教えてやるよ」
教科書を開くこと1時間半、たっぷり勉強を教えてやる。
せめて補習が終わるまでこうやっていれば、再補習にはならないはずだ。
うえええ、と言葉にならない声をあげる雪を横目で見る。
つやめく黒い髪に、少しだけ心が揺れたのは。
……きっとさっき読んだ恋愛小説のせいに違いない。
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