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お姫さま
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俺の腕の中で、もぞもぞと動く雪。
起き上がろうとしているのか、指先が白くなっている。
「へへ……爽ちゃんごめんね。朝からちょっと具合悪い気がしてたんだけど、バレちゃったか」
へらっと笑っている癖にさっきとは違う弱々しい声。
力が入らないらしく、そのままくたりと俺に身体を預けた。
「運ぶから落ちるなよ」
俺は背中に雪を乗せる。
腕を前の方に持っていったがすぐに、ずるりと手が離れてしまう。
家はすぐ隣だけど、このままだと階段すら降りれない。
「……ちょっとだから我慢してろ」
小さく頷く雪。
俺は雪の背中と膝の裏に手を添えた。
俗にいうお姫様抱っこ。男がこうされるのは恥ずかしいかもしれないが、そんなことには構って居られない。
落とさないように、しっかり抱きかかえて雪の部屋に向かった。
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