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秘密(新said 6)
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「おにいちゃーん!おまたせ!」
手を洗い、着替えを済ませたのぞみが走ってくる。
道宮先生の手を引っ張って。
「さようなら、のぞみちゃん。また明日ね。新くんもお手伝いありがとうございます」
「せんせえばいばーい!」
俺を手を繋いで、もう片方の手で元気に手を振るのぞみ。
ぺこりと頭を下げて、俺は保育園を後にした。
「おにいちゃん、おはなやさんとなにはなしてたの?」
どうやらさっきの様子を見ていたらしい。
「んーふふ。お兄ちゃんの好きな、お姫さまのお話」
「おひめさま?のぞみはねえシンデレラがいちばんすき!おにいちゃんは?」
「お兄ちゃんは『白雪姫』がいちばん好きだよ」
にっこりとのぞみに笑いかける。
真っ白な肌と、艶やかな黒髪、赤い唇。
可愛い笑顔のお姫さまは、きっと爽太のことが好き。
爽太に向ける表情は他の人とは違う。
俺は、そういう事には鋭い。
俺の好きな白雪姫。
好きな人の幸せを願ってはいるけれど。
こっそり想うだけなら許されるだろうか。
これが俺の秘密。
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