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再会
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腕を引かれたまま売店を出て、中庭へ連れていかれる。
中庭は売店の中よりも人が多かった。見る限りでは女子より男子の方がたくさんいる気がする。
ぱっと腕を離されて、他に向けていた意識を目の前の人物に引き戻した。
目が合い、相手が口を開く。
「…お久しぶり、です。村田さ…センパイ」
聞いたことのある台詞が耳に入り、先ほどの自分の言葉のアホさ加減に若干恥ずかしくなった。
全然久しくない。昨日ぶりだ。
というか…いや、それよりも。
相手の顔に向けていた視線を足元にやる。
上ぐつの色を確認するためだ。
俺の学校では学年ごとに青、赤、緑と上ぐつや体操服の色が決まっているため、それを見れば生徒の学年が分かるようになっている。学年カラーは三年間変わらず、三年生が卒業したらその色が次の一年生の色となる仕組みだ。
相手の上ぐつの色は青、俺は緑。今年の学年カラーは三年生から赤、緑、青。
つまり、
「後輩……」
目線を足元に向けたまま呟いた。
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