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とにかく大きい人。
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夜風に当たろうと廊下に出て、エレベーターに乗り外へ出てみた。
この学園は山奥にあるからすごく綺麗。
咲夜「うわぁ、すごい綺麗!」
近くのベンチに座った。
少し冷やっとしてまだ6月だし、寒かった。
でも、都会住みの僕の家からは見たことのない景色だった。
しばらく眺めた。
咲夜「そうだ!お姉ちゃんに送っておこう!」
スマホで撮影するとお姉ちゃんに送った。
今の時刻は深夜一時過ぎ。
お姉ちゃんは寝てるかも知れない。
「おい、そこで何してる?」
そこでものすごい背の高い人がいた。
僕のひとまわりもふたまわりも大きい。
190㌢ぐらいありそう。
咲夜「眠れなくて。」
原因は不眠症。
お姉ちゃんが一緒に居てくれると寝られるんだけど、お母さんでもお父さんでも寝られない。
寝ないとダメだってわかってるけど眠れない。
バレないように明るく振舞ってた。
「お前は、噂の転校生か。」
咲夜「はい。市原咲夜って言います。」
ネクタイが緑だと1年、青は2年、赤は3年。
先輩は青だから2年。
清都「俺は鳴海清都(なるみせいと)。2年で生徒会会計を務めている。」
少し狼みたいな先輩は不良っぽくて怖い。
でも、
咲夜「清都先輩って、渢汰の…。」
清都「あー、草下渢汰か。隊長だろ?親衛隊。」
咲夜「はい。言ってましたー。」
しばらく沈黙が続く。
清都「お前、小さいな。」
小さい!?
自覚あるけど大きい人に言われると傷つく。
咲夜「先輩も大きいですねー!!!」
ちょっと怒りながら言う。
清都「いや、わりぃ。なんか、俺の中にある臓器とかがこんな小さい体にもあると思うとすげぇなって。ははは…何言ってんのかわかんねぇわ。忘れろ。」
咲夜「そうですねー。へへへ。」
僕は少し寒くなり、ふと先輩の手を握る。
先輩は少しびっくりした表情をしていた。
先輩の手は暖かい。
そしてすごく大きい。
なんだろう。
咲夜「先輩の手は優しいですね!あと、少し震えてどくどくしてる。」
清都「なんだ?それ。」
咲夜「僕、手を握るのが趣味なんです。」
ほんとは趣味思いつかなくて好きなことを言ったら、趣味になっちゃっただけだけど。
清都「なぁ。お前、不眠症か?」
咲夜「…。」
バレてるんだ。
なんでだろう。
そういう素ぶりは全くもってしてなかったのに。
そして、
清都「お前本当は眠いだろ?ゆっくり寝ろ。」
そう耳元で言われ、目元を隠された瞬間に僕は意識を手放した。
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