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3◎暑さはひどくなるばかり
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◆ ◆ ◆
夏休み真っ只中だというのに、出席しなくてはならない講義がいくつか存在している。よりによって必修科目ばかり。
サボればもれなく地獄が待っていると分かっていながらも、気合いは入らない。
だるい。なにより暑い。
「マジ面倒臭いっすよねー」
「なっ」
休憩時間。
中庭の木陰に座り、仲間と冷えたコーラを酌み交わす。
本当なら酒が良いところだが、さすがに大学構内で飲酒はできない。
「雄太さんはどっか遊び行ったんっすか?」
「いや、どこにも。時間はあっても金がねぇからな」
「やっぱそんなもんっすよね」
ゆるいパーマがかかった髪をもじゃもじゃと掻き、新木(にき)は笑う。
新木は俺がカズマ以外で気を使わずに話せる貴重な人間だ。
年齢的にはカズマと同じ年――と、いうか高校のときはクラスメートだったらしい。
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