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それほど遠くまでは行けないはずだろう、という予想は大当たりだった。
カズマはすぐ近くの公園で小さく小さく縮こまっていた。
すべり台の上、ヒザを抱えてうつむいている。
街灯に照らされた金色のキノコ頭は、まるで自分で光をたくわえて輝いているかのよう。
「カズマ」
やさしく声をかけてみるも、ぴくりともしない。
完全にへそを曲げてしまったようだ。
「ごめん。また言い過ぎちまった。……裸足で痛かっただろ? ケガしてないか? 靴持ってきたから置いとくぞ……。だから――」
帰ろう、と言いかけてやめた。
部屋にいたくないというのなら、ムリに帰る必要はない。
カズマがその気なら、朝までここで過ごしたっていい。
俺もそばにいよう。
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