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05> Addition Story
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カチカチ……。
暗い部屋に、メールを打つ音だけが響く。
俺は、武田 勇気。今年で21になる男である。まぁ、見たら分かるだろうけど。
趣味は、人を騙すこと。例えば、いたずら電話で何かの業者のふりをするとかさ。あ、詐欺じゃないぞ。金をとったりなんかはしない。あくまで、いたずら電話だ。
それで最近ハマっていること。それは………人の心を弄ぶこと。簡単にいえば、人間の恋心で遊ぶのだ。
といっても、俺自身が騙すことは出来ない。なぜなら、21のおっさんに誘惑されて、人間が反応する訳がないからだ。21の無職にナンパされて、ついてくる女がいるか? 答えは、否である。
それで、俺が考えたのは弟の翔を利用することだ。弟は、所謂ショタ、という属性に入る。
それを使えば、誰かがついてくるだろう、そう思ったのだ。まぁ、この時点で、女がついてくる確率はゼロに変わってしまったが、騙せられたらそれでいい。それが男だろうが、関係なかった。
俺は、半ば無理やり、弟にHなポーズを要求した。自分で赤く尖った乳首を弄らせたり、自分のチンポを扱かせたり、たまには「練習」と題して、俺のを扱いてもらったり……そりゃ、色々だ。処女を主張するために、犯すのだけはしていなかった。
すると、弟はそれを始めて三日くらい経つと、自分からやり始めるようになったのだ。最初は上手くなかったのに、フェラも上手くなった。乳首も、自分で弄ってオナるようになった。
それで、俺はそれを写真に撮って、ネットに載せた。下には、メールアドレスも貼り付けた。
人を騙すだけなら、そのメールアドレスは適当なものはなすれば良かったのだが、俺は騙す中にもリアルを求めた。そのメールアドレスを俺のパソコンのモノにしたのだ。
そうすれば、弟目当てのオッサンは、俺(オッサンは弟と思い込んでいるけども)とメールを楽しみ、後で騙されたと知ることになるのだ。
もちろん、弟には、性教育としか言っていない。だから、メールのことなんて知らない。
俺がオッサンとやり取りする時には、必ずリアルで会うような話に繋げた。それで、約束までしておいて、弟はそこに絶対いかないから、オッサン達は騙されたと知るのだ。
しかし、そんなある日のことだった。
いつも通りに出掛ける日まで決めたメールを、ある男とやり取りしていたら、なぜか次の日に、お出かけお礼メールがきたのである。なぜだ。弟は絶対に言っていないはずだ。
しかも、「付き合ってる」や、「ヤった」などという言葉が入っている。
その男の名前は、明石というらしい。なぜだ、俺が騙していたのが悟られたのか……?
俺が、画面を前に混乱していた時だった。家をバタバタと走り回る音が聞こえたのだ。
そして、音を立てた正体である人間の足音は、俺の部屋の前で止まり、俺に向かって声を掛けた。
「ねぇ、にいちゃんーっ! 今からちょっと出掛けてくるねー」
弟は、なぜかいつもより可愛らしくなっている気がした。
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