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10> 卒業式2
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卒業式。
それは、俺ら学生にとっての一大イベントである。そして、それは俺らの別れと出会いを司っている。
そんな日に、俺はある重大なことに気づいた。……あ、センパイ今日卒業だ!! と。
俺が好きなセンパイの名前は、赤城 鉄平(あかぎ てっぺい)。俺のサッカー部での先輩で、なんでも出来る人だった。
そんな彼に恋をして、ずっと思いが伝えられないまま、一年、二年……だらだらと毎日は過ぎて行った。
その毎日があまりにも平凡すぎて、俺は、今日センパイが卒業式だってことを、すっかり忘れていた。われながら、大変な失敗だった。
焦っている俺の近くを、桜の花びらが舞い落ちる。きれいなピンク色のそれは、見ているだけで癒されるが、今の俺が癒される訳はない。
センパイ!! と駆けていきたいところだが、もうすでにセンパイの周りには人集りができている。しかも、女子ばっかり。こんな俺が寄れそうにもない。というか、寄らせてくれないだろう。女子が。
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