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10> 卒業式3
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そうこうしているうちに卒業式は終わった。卒業生が正門から出ていく。
それを、俺ら在校生は拍手をしながら見送る。
卒業生をぼーっとみながら適当に拍手していたが、――俺が好きな――先輩が前の方にきたから、パチパチ、ときちんと拍手する。
本当に、卒業しちゃうんだなぁ……今まで、部活の時に、俺の頭を撫でて褒めてくれた先輩はもういない。そう考えると、やっぱり悲しかった。
一番後ろにいた卒業生が、門から出て行く。全員の見送りが終わると、俺ら在校生は解散になる。
もちろん、女子は自分が好きだった卒業生の元へ走っていく。
俺も、先輩のところにいきたかった。けど、どうせ女子がいってるだろうし。ま、俺よりも色気ムンムンの女子の方がいいよな。
自分で勝手に考えて落ち込みつつ、自宅へ向かう。卒業式では想いを伝えるって決めてたのに、なにしてんだろ……俺。
猫背で歩いていたけど、家と学校は近いから、もう前方に家が見えた。
しかも、俺の通学路は寂れた商店街だから、想いを消せるような楽しいものも何もない。
はぁぁ……。
ため息ををつきながら、家に近づく。
と、玄関の前に誰かが立っていた。
なんだよ、あいつ。父さんか……って、父さんはあんなに身長高くねぇよな。
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