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10> 卒業式6
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「ほんっと、俺の方みてんのに、さみしそうにするだけで話しかけてこないんだもん。俺、結構楽しみにしてたのにさー」
爽やかに笑って話す先輩。
「だって、先輩が、女子と……」
先輩が、女子と話してたから、俺が話しかけられなかったんだよ!!!!
そんなことを言いかけたら、先輩がそれに口を挟む。
「えー? だって、一人でいるとかさみしいじゃんー」
あまりに楽観的な答えに、なんかいろんな意味で泣きそうになった。
だけど、やっぱり先輩と話せたのが嬉しかった。
「ま、いま話せたからいいけどなー」
笑いながら、先輩が俺の頭から手を離した。
「なっ、そんなセリフは女子にいってくださいっ」
本当は嬉しかったけど、先輩はあれな意味で言ったわけではないだろうし。
でも、俺にはそういう意味にしか取れなかったし、取りたくなかったから、わざと誤魔化すためにそういった。
「ちぇっ、冷たいなー。わざわざ可愛い後輩ちゃんと話してるのに、そんなこというなんてー」
戯けてやっぱり笑う先輩。
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