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10> Addition Story
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卒業式が終わる。
卒業式が始まる前から、ずっと感じていた視線。勿論、それは俺の後輩ちゃんのものだって、分かってた。
だって、あの後輩ちゃん、すごいアピールするんだもん。
例えば、バスケ部の時。部活が終わった後、一応解散なんだけど、部員の中でもまだ自主練する奴がいる。
俺もそんな中の一人なんだけど、あの後輩ちゃん、いっつも俺と自主練するんだよね。
それが超可愛くてさ。あんまり上手じゃないんだけど、「先輩、先輩」ってボール持って毎日来るの。
大体の後輩が、しばらくしたら自主練には来なくなるんだけど、あの後輩ちゃんだけは、毎日必ず「俺と」自主練してたんだ。
そんで、自主練が終わってから二人で更衣室行くんだよね。俺が着替えてたら、チラチラ見てんの。俺が後輩ちゃんの方見たら、サッと目をそらして、顔赤くしてさ。
あー、可愛いなー、って。まぁ、その時に、実はちょっとムラってくるものがあったんだよな。……後輩ちゃんには言えないけどさ。
他にも、色々アピールしてくれるところもあった。俺にだけ、タオル持ってきてくれたり、スポーツドリンク買ってきてくれたり、まるでマネージャーみたい。
可愛い後輩だったから、大切にしてたんだけどさ。
卒業式の前の日にさ、周りに言われたんだよね。
「先輩、あの人のこと好きなんですか?」
勿論、あの人とは後輩ちゃんのこと。
聞いてきたのは、可愛らしい女の子だった。顔赤くしてて、もう確かに俺に気があるって感じの子だった。
でも、あの後輩ちゃんみたいにさ、超可愛い! とは感じられなかった。
そのことに、ちょっとだけ違和感を抱いた。俺、なんで男子の後輩ちゃんの方が可愛いって思ってんの? って。
とりあえず、あの女の子には適当に話しておいた。
そのあと、卒業式で、周りの女子に質問責めにされてさ。多分、あの女の子が俺らが付き合ってる、みたいなことを言いふらしたんだと思う。
それでさ、気づいた。俺、あいつの事好きなんだな、って。
確信ではなかったし、何と無くではあったけど。
それで、後輩ちゃんは絶対俺のこと好きだろなー、と思ってたから、後輩ちゃんの家にいった。
そしたら、告白してくれて、すごく驚いた。本当に、男同士の恋愛とか存在するって思ってなかったから。
でも、嫌じゃなかった。
俺、こいつのこと、好きだったんだ、って思った。それで、後輩ちゃんの赤い顔が可愛くて、ついキスしてしまった。
『後輩ちゃん、可愛いよね。
今は、俺の自慢の彼氏。周りからからかわれても別になにも思わない。
男だから、可愛いっていっちゃいけないことはないと思うし。
俺は、毎日後輩ちゃんの自慢をしてます。それで、これも自慢ね。以上。』
「え、ちょっ、先輩、これなんですか!?」
あ、後輩ちゃんに見つけられちゃった。隠してあった、大切な手紙。今度渡そうと思ってたのに。
「せーんぱーい? なんですか、この甘々な文章は!」
顔真っ赤にしちゃって。嬉しいくせにー?
「うるっ、さいですーー!」
あ、怒られちゃった。
でも、好きだよ? 愛してる。
え、後輩ちゃんの名前? それは、俺だけが呼んであげたいから、教えてあげなーい。
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