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頑張れマオくん(2)
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地下牢では捕らえた男が昨日と同じすっぱだかに亀甲縛りで待っていた。
「おはよう、マオくん」
うっすら微笑んでいる。不気味だ。
「おはよう。えーと…お前、なんて呼べばいい?」
「翠だよ。ユキくんには碧って言ったけど」
「じゃあスイ、ここは悪魔の世界で、元の世界には簡単には戻れないんだ。たとえこの地下牢を出たところでお前に行くあてはない。ここにいるのが一番安全だ」
「…うん?」
「あー…つまり…今から縄を解いて服を着させる。だからと言って外に逃げるのはやめてくれ」
「僕別にこのままでいいよ」
「俺は嫌だ。見苦しい」
「そっかー。ウェルカムドリンクならぬウェルカム亀甲縛りってことか」
スイは残念そうにうなずいた。
どうしてこいつは妙に縛られたがってるんだ。
縄をほどき、ここに来るときに着ていた服を着させると、ようやく息をつくことができた。
ユキの悪ふざけであんな格好にしていたが、正直目のやり場に困っていたんだ。
「それで?マオくん何か用があってきたんだよね?」
「あー…まあ。一応お前がエクソシストってことになってるから、話を聞きにくるふりをしないといけない」
「ふーん。じゃあ、碧を捕まえる作戦、一緒に考えてあげようか?」
「えー…?」
どうしてスイはこんなに落ち着いているんだろう。人間にとってはわけのわからない世界に連れてこられて監禁されているのに。
しかも自分の家族を捕まえることに対して、やけに協力的。
「まあ一応、俺も考えてはいるけど」
「えーなになに?」
「アオイは14号とつながってるんだろ?それなら2人同時に連れてきて、14号をタコ殴りにすればいい」
「リシくんかわいそう」
「助けに入るアオイの隙をついて俺がアオイの寿命を抜き取る」
「わーバイオレンス」
「それで……ん?」
話している途中で何気なく鏡を見ると、さっきの悪魔がユキと一緒に歩いている様子がうつっていた。
「えっ?なんでユキが…」
「どうしたの?」
スイに鏡を覗かれて、慌てて隠した。
「なんでもない。ちょっと出るから大人しくしてろ」
地下牢を飛び出し、ユキの部屋へ向かった。
「ユキ!!」
勢いよく部屋に入ると、ユキはベッドからもぞもぞと起き上がった。
「なに?僕の大事な二度寝を邪魔するなんて…」
「いる…」
人間界に行っていた様子もない。
気になって鏡を見てみると、ユキの姿は消え、例の悪魔だけがうつっていた。
「何見てるの?」
ユキが近づいてきた。
「いえ、なんでもないです」
とっさに鏡を後ろに隠す。
よくわからないけど、わざわざユキのいないところで頼んできたということは、お父さんはユキには秘密にしてほしいということだろう。
「…なんか隠してるでしょ。僕そういうの嫌いだよ?」
「隠してません」
ユキはじーっと目を細めている。
「マオくん手を挙げて」
「な、なんでですか?」
「魔王の命令!」
「…はい」
鏡をむりやり股に挟みこみ、両手を挙げた。
するとユキは、いきなり突進してきた。
「出せー!」
「うわあっ!」
「もー!やっぱり何か隠してた!」
ユキの突進で鏡が地面に落ちてしまった。
ユキは素早くそれを取り上げた。
しまった…。この部屋には持ってくるんじゃなかった。ユキの前で見るべきじゃなかったんだ。
鏡を見ると、ユキのぷりぷりしていた表情がさっと変わり、目を見開いた。
「これ…は…?」
「人間界の様子がリアルタイムでうつしだされています。人間界のほうが時間の流れが遅いので、スローモーションになってますが」
「そ、そう。そうじゃなくて…この悪魔、誰?」
「…さあ。知りません」
「そっか…」
ユキは落ち着かない様子で鏡を見ている。
「どうかしましたか?」
「う、ううん。なんかよくわかんないけど…この悪魔見てると、不安になってくるの」
ユキがすがるように僕を見上げた。
どういうことだろう。この悪魔、何者なんだ?
ユキの失われた記憶と関係しているんだろうか。
パタンと鏡を裏返しにした。
「不安になるなら、見なければいいです」
この悪魔は危険だ、と俺の本能が告げている。
だけどそれは、誰にとってだろう。
ユキにとって?それとも、自分にとって?
「マオくん…」
ユキがいつものように抱きついてきて、俺は思わず抱きしめ返してしまった。
「大丈夫ですよ」
「うん…?」
「あなたには俺がついてます」
「ほんとに?」
「え?」
「ずっとずーっと、一緒にいてくれる?」
「はい」
「大人になって、可愛くなくなっても?」
「……?」
ユキは本気で自分のことを可愛いと思ってるのか?
恥ずかしいやつ。
「俺はあなたのこと、特に可愛いとか思ってないから、どんな姿になろうがどうでもいいです」
「そうなの…?」
「うぬぼれないでください」
ちょっと言い過ぎたかな、怒られるかな、と思ったけど、ユキはなぜか嬉しそうに顔を上げた。
「マオくん大好き!」
「そうですか」
最近、ユキが好き好き言ってくる回数が増えてきた。それに対してどんな反応をすればいいのか…よくわからない。
ユキは少し顔を赤くしてささやいた。
「ねえ、キスして」
「……え?」
「前してくれたでしょ?もっかいやってほしいの」
「なんでですか」
人間にとってキスは愛情表現だと聞いたことがある。
前は…なんとなく、衝動的にしてしまっただけで、俺はユキに愛情なんて持ってない。
「やってほしいから」
「…嫌です」
いつもみたいに駄々をこねるかと思いきや、ユキは優しく笑った。
「魔王からの命令って言ったら、マオくんはやれるの?」
「それは…命令なら」
「じゃあ命令してもいい?」
「はい?」
「マオくん、僕のこと愛してるなら、キスして」
「………」
俺は固まってしまった。
ユキのことを愛してなんていない。
あいつは急に…急にやってきて、俺を差し置いて魔王になったムカつくやつだ。魔王になった途端、俺を部下みたいにして、添い寝までさせて、わがまま放題。だけど…俺の唯一の居場所。
「…愛してるって何ですか?」
やっと出てきた言葉は、そんな陳腐な質問だった。
「じゃあ言い方を変えるね。僕が死ぬまでずっとそばにいてくれるなら、僕のことを何があっても一番大切にしてくれるなら、キスして」
ユキは俺の頭を撫でて、唇が触れあう寸前まで顔を近づけた。
「俺は…お前なんか…」
ずっとそばにいたいのは俺のほうだ。魔王の息子というだけで、なんのとりえもない俺のことを全力で頼ってくるユキを利用しているんだ。
ユキにとっては、俺じゃなくたっていいんだろう。言うことを聞いてくれて、寂しさを紛らわせてくれるなら、誰だっていい。
「…ちゃんと考えてください」
「えっ?」
顔をそむけると、ユキは目をぱちぱちさせた。
「あなたは本当に、ずっと俺をそばに置いてくれるんですか。この先どんな悪魔や人間と出会っても、俺を捨てないでいてくれるんですか」
「マオくん…」
俺はユキのことを全然知らない。どうして悪魔になったのか。どんな人間だったのか。お父さんに認められた理由も。
記憶を奪われているからユキ自身も知らないことだけど、俺はそれが怖い。傷つくのは嫌だ。
ほっぺを挟まれ、ぐるんと正面を向かされた。ユキがにこにこしながら俺を見ていた。
「僕たち似てるよね」
「…似てる?」
「ずーっと一緒にいようね」
ユキの顔が再び近づき、唇同士が触れ合った。柔らかな感触に、胸がドクンとなる。
離れていこうとする唇を追いかけると、ユキは軽く息を吐き、食むようにキスをしてきた。
くすぐったくて思わずユキの肩をつかむと、ユキは俺の体を押し倒し、さらに深くキスをした。全身でユキの存在を感じて、体が熱くなる。
「マオくん、大好きだよ」
俺の口元でユキがささやいた。吐息が口にかかって、びくっと震える。
「あっ……俺、は……」
ユキがきれいな目で俺を見ている。
「俺は……」
上手く言葉が出ないのがもどかしくて、俺は少し体を起こし、自分からユキにキスをした。
「マオくんがキスしてくれた」
ユキは嬉しそうにそう言った。
「愛して…います」
ユキの笑顔を見ていたら、自然と口からこぼれていた。
……違う。雰囲気に流されただけ。うっかり言ってしまっただけ。俺はユキなんてこれっぽっちも愛してない!
「僕もだよ」
その言葉を聞いて、脳内の言い訳はさらーっと消えてしまった。
ああ、俺は負けたんだ。
「マオくん、舌出してみて」
「舌…?」
よくわからずに舌を出すと、ユキも舌を出して合わせてきた。
ザラッとした感触にびっくりして引っ込めると、ユキは頭を撫でて言った。
「大丈夫だよ。そのまま、出したまま」
「はぁっ…」
もう一度舌を出すと、ユキは舌同士を絡めるようにしてきた。
「ああっ…うっ…」
先端が触れ合うたびに体がぴくっとして、変な声が出てしまう。めちゃくちゃ恥ずかしい。
「やっ…やめてくださいっ」
「マオくん可愛いね」
「やっ、ちょっ…」
恥ずかしくて口を閉じると、ユキは唇をなめてきた。
よくわからない感覚に体が支配されていく。
「んはっ」
堪えきれずに口を開けると、ユキの舌が口の中に侵入してきた。舌、唇、歯、ほっぺの裏側、全ての場所をユキの舌が撫でていく。
「うあ…も、だめ。変だよ」
「変って?」
「体が、変なの。だからもう、しちゃだめ」
絶対に使ってと言われていた敬語が使えなくなって、うわごとみたいな言葉しか出てこない。
「僕も変になってるよ?」
ユキは俺の手をとり、自分の性器に触れさせた。
ユキの性器は大きく膨らんでかたくなっていた。
「あっ…なにこれ…」
「マオくんもでしょ」
「えっ?」
そう言われて性器を触ると、ユキと同じように大きくかたくなっていた。
「なっ…なんで?怖い。なおるの?」
「なおしかた、僕が教えてあげる」
ユキは服を全部脱いで、僕のも脱がせた。
初めて見たユキの裸の姿は、白くて滑らかで、俺の体はいっそうおかしくなった。
裸になったユキに、ぎゅっと抱きしめられた。体温や鼓動が直接伝わってきてドキドキする。
「こういう風に、おちんちんを持つんだよ」
ユキは俺の性器の真ん中へんをつかんだ。
性器がドクンとして、先端から透明な汁が出てきた。ユキはその汁を指ですくい、ぺろっとなめた。
「えっ、えっ、大丈夫なの?そんな、変なの」
「マオくんの味がする」
「俺の味…?」
「おちんちんを持ったら、こういう風に上下に擦って」
「えっ、あっ、あんっ」
変な感じが、強くなっている。もっと擦ってほしくて、体がもぞもぞする。
「ねえ、変だよ。それされると、よくわかんなくなる」
「気持ちいいってことだよ」
「気持ち、いいっ…?」
「マオくん、僕のおちんちん、同じ風にしてみて」
「はぁっ…」
ユキの性器の真ん中へんをつかんで、上下に擦ってみた。
「あぁっ…気持ちいいよ、マオくん」
「あっ…ふあっ…んっ…」
ユキは手を止めずに、性器を擦っている。その動きに合わせて俺も手を動かすと、ユキは俺と同じように、恥ずかしい声を漏らした。
性器が、すごく熱い。それにどんどん大きくなってる。これ本当に、なおるの?変な感じ…気持ちいい感じも、全然おさまらない。
「ユキっ…気持ちいいっ」
「んっ…僕も」
「ああっ、でもっ、おかしいの。なんか出ちゃう。おしっこみたいなの。ねえ、どうすればいいの?」
「出していいんだよ。それ出したら一番気持ちよくなって、それでなおるから」
「あっ、あっ、出ちゃう!出ちゃうよっ!」
性器から、白くてどろっとした液体が勢いよく溢れた。僕が出すのと一緒に、ユキの性器がびくびくっと震え、同じ白い液体が出てきた。
「ユキ…この液体はなに…?」
「…知りたいの?」
「うん。知りたい」
「マオくんが今度もう一回してくれたら、教えてあげる」
「え…?」
頭がぼんやりとしてきた。ユキの顔が、ぼやけてよく見えない。
「ユキ…」
「おやすみ、マオくん」
ユキの言葉を聞きながら、俺は目を閉じた。
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