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エピローグ→ザイ、キンカ、マオの場合(5)
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「ザイ〜!カワセにちんこ舐めさせられたよ〜!」
「…は?」
次の日、僕はすぐにザイに報告した。
「写真撮られて、ばらまかれたくなかったら、ザイと縁を切れって言われて」
「あ、ああ…?」
カワセには悪いけど、写真がばらまかれたって、僕は別に構わないのだ。だったら最初からザイに相談するのが1番だろう。
ザイはしばらく表情を停止していたけど、徐々に怒りの表情に変化していった。
「わかった。じゃあ、カワセを殺してくる」
「…へっ?いや、待っ…」
僕が止める間もなく、ザイはすごい勢いで教室を出ていった。
本気だろうか?殺すなんて…。
今までも僕をいじめようとした相手を暴力で撃退したことはあったけど、この怒りようは初めてだ。
追いかけようと教室を飛び出したところで、背後から肩をつかまれた。
「いやいやいや、いきなり何やってんの?キンカー」
「うわっ!」
呆れ顔のカワセが立っている。カワセは僕を引っ張り、ひとけのない教室へ連れていった。
「縁を切らないと写真ばらまくって言ったよね?ちゃんとわかってる?これ」
カワセはカメラを操作し、画像データを見せつけてきた。
「僕は…この写真が流出するよりも、ザイと縁を切るほうが嫌だから…」
「……ずれてるなーお前たち」
「えっ?」
「ザイは真逆だったよ。写真の流出を防ぐためにお前から離れて僕の命令を聞くことを選んだ」
「ん?え?何の話…?」
カワセは再びカメラを操作し、別の写真を見せた。
それは、僕とカワセがトイレでセックスをしている写真で…
「どうしてこんな写真が」
「偶然見かけただけだよ。で、好き者の悪魔にこれを見せて、キンカのことを襲わせるってザイに言ったら、簡単に言うことを聞いてくれた」
「言うことを聞くって…何を?」
「いつでも呼び出しに応じて、ザイに恨みを持ってる悪魔からの復讐を受ける。そんなやつら山ほどいるからさー、いい商売になったよ」
ここのところ、ザイの様子がおかしかったのはそういうことだったんだ。
「なのに、当の本人はエッチな写真が流出したって別に気にしないんだもんな。とんだ無駄なことをしてるってわけだよ、ザイは」
カワセは悪い顔で笑っている。
「どうして…カワセはこんなことをしてるの…?僕たち2人を脅して、何がしたいの?僕たち、カワセに何かした?」
「ザイを消したいからだよ」
「消す?」
「孤立させて、弱らせて、消す。そうすれば、学校で1番の悪魔は俺になる。自分より強い奴は邪魔だ」
「そっ…」
そんな理由で?!
そんなしょうもない理由のために、カワセはザイを脅して、ザイは僕なんかのために…
視界から、色がすーっと消えていく。目の前にいるはずのカワセの、喉の辺りだけが青く光っている。
何も教わっていないけど、僕にはわかる。あれはカワセの魂だ。あれを抜き取れば、カワセは……
バタバタと足音が近づいてくる。足音はドアの前で止まって、ドアがガラッと開けられた。
「カワセ!お前こんなところに……え…?」
ザイの怒鳴り声が途切れ、僕とカワセを見比べている。
「えーと…何があった?」
「ど、どうしようザイ…。僕、カワセのこと殺しちゃったみたい…」
ふと気づいたら、足下にカワセの体が横たわっていた。そして僕の手の中では、カワセの中にあった魂が、弱い光を放っていた。
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