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第7話 「大島裕翔という男は。」
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爽やかな朝日に照らされる金色の髪
ピアスびっしりの耳
夜闇に染まってるような黒目
顔立ちが整ってはいるが目つきの悪さで
半減されている。
無口で無愛想
誰にも興味を示さない
それが周囲からの印象が大島裕翔という男だ。
しかし、それはあくまでも
周囲からの印象だ。
「おはよう、大島」
「 (うわわ、びっくりした!あ、そだ、あいさつあいさつ!) ......はよ...(うあああ!!!!今のは無愛想過ぎたぁ!ごめんね藤宮くん!)」
彼は超人見知りな乙女系男子だった。
中学時代の彼は金髪ではなく真っ黒の髪にピアスなんて開けてなくむしろ怖くて開けられないという乙女根暗だった
それはもう根暗中の乙女根暗
カンスト的に言えば
下の下の下ぐらいの根暗だ
それくらい根暗で乙女だった彼には勿論のごとく友人がいなかった。
しかし、彼は決して友人がいらないとは考えてない
寧ろ欲しがっていた。
一緒に朝登校してみたいな
お昼ご飯とかも一緒に食べて
放課後どこか寄り道してお喋りしたいなぁ、そうだよ!このままじゃだめだ!
自分が変わらなきゃ友達できっこないよ!
と、彼は高校デビューを果たすべく
姉に雑誌を借りて勉強をした
そりゃもう、どこぞの猫型ロボットアニメの出来すぎてる天才小学生男子もびっくりなぐらいの猛勉強だった。
ただ、彼は借りる相手を間違っていた。
姉は最近不良系にどハマりしており
漫画とかも某極道の娘が先生になる話やとか元ヤンキーが更生する青春物語とかたくさん読んでいるにもかかわらず
雑誌にも『これで貴方もヤンキー!〜男は拳で語れ〜』や『最近流行りのヤンキーファッション』やらと不良、ヤンキーと単語が出ている雑誌は買うという姉のクレイジーさに弟の大島裕翔は気づかない
むしろ有難いと思うあたり大島裕翔も若干頭のネジが抜けている。
そんな不良系大好きな姉から借りた雑誌が『これでコワモテ♡高校デビュー成功間違いなし!不良男子の基本ファッション!』という馬鹿げた雑誌だ
これを借りる際
(なるほど!こういう格好すれば友達もたくさん出来るんだ!)
とふわふわとした思考になっていた。
もはや、裕翔の思考には友達でいっぱいになっているので高校デビューどころか不良の道へとデビューしていることに
彼は最後の最後まで気づかなかった。
そうして、彼は黒髪から金髪に染め
怖かったピアスも友達を作るためと開けて制服も気崩してと、
どこからどう見ても不良にとなっていたが彼自身(これで友達ができる!)とやはり抜けていた
ちなみに、不良姿になった弟を見て姉は悶えていたがその話は省略する。
そんなこんなで高校デビューと言うよりも不良デビューへとなった彼に勿論最初は友人が出来るどころか怖がられ避けられている。
超人見知りな彼も友達を作るためと意気込み話しかけようとするが緊張のあまり口数が少なく素っ気なくなってしまう(本人は素っ気なくしたつもりは一切ない)
そんな感じで周囲からは冷たく無口で無愛想な不良だという印象になってしまった。
流石の彼も心が折れかけいつも癒してくれる校舎裏の猫の所へと行き癒されていたらたまたま出会ったのが藤宮冬季だった。
そこから互いに猫が好きということと冬季のオカン気質のお陰で毎日話すようになり
冬季から朝、登校しないかと誘われ
彼は初めて友達と朝の登校を共にするという幸せ絶頂なのである。
「毎朝早いなーお前、そんな早く来なくてもいいんだぞ?」
「......別に(大丈夫だよ!むしろ待つ時間がすごくすごく楽しいから結果オーライだよ!)」
「はは、そーか」
ちなみに、冬季も無愛想で無口だと勘違いしているが奇跡的に裕翔の心の中と噛み合っている気がする。
「いつもありがとうな」
「......ん、」
ありがとうって言いたいのはこっちだよ
という言葉は人見知りの彼には言えるはずがなかった。
(いつか、もっと仲良くなったら
「ありがとう」って言えたらいいなぁ)
このあと、教室で冬季から手を振ってくれてむちゃくちゃテンションが上がり
目力がいつもより強く周囲からは今日大島は機嫌が悪いから近寄らない方がいいということを噂されているのを純粋な彼は知らない。
_______________
大島裕翔
純粋乙女系な男子高校生
無口で無愛想だと勘違いされてがちだが超人見知りなだけ
趣味はお菓子作り
彼の正体はただのヘタレビビりでしたー
クールなかっこいいイメージだと思った人残念
でひたー
ふぇー
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