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story.01 俺の気持ち
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「歩夢〜!おはよ!」
「おぉ、おはよ」
俺の名前は、桐谷歩夢(キリタニアユム)
男子校に通う高校1年生
男としては小さい身長とこの幼顔は
俺にとってのコンプレックスだ
「歩夢くん、今日も可愛いね!」
「可愛くなんかねぇよ、バーカ」
俺の隣にいるこいつは、桜井紘(サクライヒロ)
一応、俺の幼なじみだ
「歩夢は素直じゃないなぁ〜。もっと素直になりなよ」
「うるせ。余計なお世話だ」
そんな事知ってるよ
だから今もこうして苦しんでるんじゃないか
自分の気持ちを素直に言えずに…
俺には…ずっと前から好きな人がいる
一目惚れだったんだ
俺にとって、それが初恋…
まさか自分がホモだったなんて思わなかった
そう…俺が初めて恋に落ちた相手は
小学校からの友達である男子だ…
この事は誰にも言ってない
つか、言える訳がない
幼なじみの紘にすら
打ち明けていないのだから
もちろん本人にも…
「あ!琉衣くんだ!」
「っ?!」
紘のその言葉に
俺の鼓動が早くなる
なぜなら…俺の好きな人が
俺の目の前にいるから
「琉衣くん!おはよ!」
「…おはよーって相変わらず元気だなお前は」
「元気だけが取り柄ですから!」
「ははっ…そうだったな」
俺の好きな人、黒谷琉衣(クロタニルイ)
ほぼ幼なじみみたいなものだ
小5の時に初めて同じクラスになって
初めて恋をした…
何より俺は
琉衣の笑顔が好きだ
恋に落ちたのも
この琉衣の笑顔が原因だった
「歩夢?どうした?」
「えっ?!い、いや!何でもない!」
琉衣の顔が目の前にあったため
俺は少し変な声が出てしまった
近すぎだろ…琉衣…
俺の心臓がもたねぇよ…
「なーんだ、歩夢も元気じゃん」
「へ?」
「何か元気なさそうな顔してたから心配したけど、元気そうで安心したよ」
そう言いながら琉衣は
俺の頭をなでる
ドキッとした
琉衣の手が…俺に触れてる
それだけなのに…
俺の鼓動は早まるばかり…
「歩夢、顔赤いけど大丈夫か?」
「だ、だだ、大丈夫だから!」
「…ならいいけど」
琉衣の手が俺の頬に触れかけたため
俺は慌てて琉衣の手を阻止した
これ以上触れられると
俺が壊れちまう…
あふれそうになる思いを
心の中にしまいこんだ
琉衣の事は好きだけど
無理に自分の気持ちを押しつけるような事は
したくないから
「琉衣〜!歩夢〜!紘〜!」
ふと後ろから俺たちを呼ぶ声が
聞こえた
同時に振り返ると
そこには、俺たちのクラスメイト
立花愛斗(タチバナマナト)がそこにいた
「やっと追いついた…おはよ!」
「まーくん!おはよ!」
紘は愛斗に抱きついた
その勢いで愛斗が倒れそうになる
「紘、危ないよ〜!」
「えへへ♪ついつい…」
紘は頭を掻きながら
笑顔でそう言った
「愛斗、おはよ」
「琉衣〜!おはよ!」
「何だよ、愛斗。急に抱きついてくんなよ」
「いいじゃん、別に」
愛斗は琉衣に抱きつき
離れようとしない
琉衣はそれを嫌がるどころか
少し微笑ましそうに見ていた
「…あ!歩夢!おはよ!」
「あぁ、おはよ」
はっきり言って、俺は愛斗がうらやましい
あーやって…
琉衣に触れられるから…
琉衣に微笑みかけてもらえるから
愛斗の全てが俺はうらやましかった
俺はもうとっくに気づいてた…
愛斗は琉衣に恋をしていることを
そして琉衣も…
愛斗に恋をしている
だから俺のこの恋は…
終わらせなければならないんだ
でも…そう簡単に諦めきれない
だからもう少しだけ…
好きでいさせてくれ…
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