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story.02 気づいて…
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「なぁ、琉衣」
「んー?どうした?」
「…お前は愛斗の事、どう思ってる?」
「何だよ、いきなり」
愛斗から協力してくれと頼まれてから
1週間がたった
あれ以来俺は、愛斗の恋のために
いろいろ協力してやっている
「いや、何となく?」
「…何だそれ」
琉衣は呆れたように笑った
その笑顔に俺の胸は高鳴る
あー…やべ…
愛斗なんかに渡したくねぇ…
俺のものにしたい…
でも、それは出来ない
俺は愛斗を応援してやらなきゃならない
2人が付き合えた時
俺は上手く笑えるだろうか
琉衣の事…諦めきれるだろうか
「いいから答えろよ。愛斗の事好きか?」
「…そりゃまぁ…好きじゃなきゃ一緒にいねぇだろ」
「へぇ〜。なるほどね」
まぁ、それが恋なのかは
分かんねぇけど
愛斗は喜ぶんだろうな…きっと
本当…うらやましいよ
「あ!いたいた!」
その時、ふと後ろから声がした
振り返るとそこには愛斗がいた
「お?愛斗じゃん」
「2人ともここで何してたの?」
「男同士の話し合いかな」
「何それ〜!」
琉衣と愛斗は楽しそうに話している
出来れば俺に見せつけないでほしい
俺の心が乱れていくから…
俺はこの場にいたくなくて
教室に帰ろうとした
「あ!歩夢!」
だけど、愛斗によって
阻止されてしまった
「何だよ」
「…琉衣、先に教室帰ってて?」
「あぁ、分かった」
琉衣を教室に帰すと
愛斗は俺の方に近づいてきた
「何話してたの?」
「何って、お前のためにいろいろ聞いてやってたんだよ」
「…本当に?」
「嘘ついてどーすんだよ」
愛斗の顔は少し不機嫌そうだ
何でそんな顔されなきゃなんねぇんだよ
人がせっかく協力してやってんのに
「歩夢。こんな事言うのもあれだけどさ」
「…何?」
「本当に協力する気あるの?」
「………は?何だよそれ」
何で俺、疑われてんの?
おかしいだろ
人の気も知らねぇで…
「僕に協力するふりして、琉衣を狙ってるわけじゃないよね?」
「……そんな事…しねぇよ…」
「…ならいいけど…そんな事したらいくら歩夢でも許さないからね?」
「分かってるって!」
若干怒っている愛斗とは逆に
俺は明るく笑顔でそう答えた
無理に笑顔を作るのは得意だから
バレてないはずだ
そして俺たちは
教室に戻った
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