アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
03
-
あれから俺は
愛斗と琉衣の姿が頭に浮かんでは消える
その繰り返しだった
本当は今すぐにでも
琉衣を自分のものにしたい
愛斗から奪いたい
琉衣に…触れたい…
「…おーい、大丈夫かー?」
そんな事を考えていると
ふいに誰かに話しかけられた
「歩夢、大丈夫?」
「…あぁ、大丈夫大丈夫」
「本当に?無理してない?」
「大丈夫だって!心配すんな」
紘は納得がいかないという顔を
していた
紘には俺の嘘は通じないのかな?
「…歩夢〜!」
今度は誰だよ…
少しイライラしながら振り向くと
そこにいたのは、愛斗と琉衣だった
俺は琉衣を見て
不覚にも胸が高鳴った
徐々に顔も熱くなっていく…
あー…やべぇ…
「…って、歩夢聞いてる?」
「え?な、何?」
ボーッとしてて全く聞いてなかった
今、それどころじゃないんだよ
「だから、今日4人で一緒に買い物に行こうって話をしてたんだけど」
「あー、買い物ね」
何だそんなことか…
つか、この前も行ったじゃねぇか…
どんだけ買い物すんだよ、こいつ
「今日は、俺の買い物に付き合ってもらおうと思ってさ。ダメかな?」
「っ?!」
琉衣は少し不安そうに
俺の顔をのぞき込んできた
琉衣のその行動に俺の鼓動は
早まっていく…
そんな顔で俺を見るな…
そんな目で俺を見るなよ…
触れたくなるだろーが…
俺はそんな思いを必死にこらえ
頷いた
「よっしゃ!さすが歩夢!ありがとな!」
「別に…」
「ははっ!素直じゃねぇな、相変わらず」
そう言いながら琉衣は
俺の頭をわしゃわしゃとなでる
それだけで俺の胸は締めつけられる
「な、何すんだよ!」
「まぁ、そんな怒るなって!」
「ったく…」
そんな笑顔で言われたら…
許すしかねぇだろーが…
何でそんないちいち俺を…
壊すんだよ…
変な期待させんな…
まぁ、期待してる俺がわるいんだけど…
「ちょっと!2人でイチャつかないでよ!」
「何だ、愛斗。嫉妬でもしたか?」
「あははっ!バレた〜?」
琉衣は俺から目をそらし
愛斗を見た
目…そらすなよ…
もっと俺を見ろよ…琉衣…
楽しそうにじゃれ合う2人
それをただ見ているだけの俺と紘…
ふと紘を見ると…
「っ?!」
紘は今までに見たことのないくらい…
冷たく…鋭い目をして
2人を見ていた
そして紘は視線をそらすと
席に座り、机に顔を伏せた
「…はぁ…」
俺は誰にも聞こえないくらい小さな声で
ため息をついた
相変わらず2人はじゃれ合っている
俺はただそれを
見ていることしか出来なかった…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 270