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04 紘side
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最初は、みんな好きだった
琉衣くんも、まーくんも
そして歩夢の事も…
俺にとって3人は
親友だと思ってた
でも、今は違う
まーくんが琉衣くんを好きになってから
俺はまーくん達と行動を共にしなくなった
歩夢さえいてくれれば
俺は十分なんだ
そう…気づいてしまった…
自分の気持ちに
俺は…歩夢が好きだ…
いつから好きだったのかは
自分でも分からない
気づいたら好きになってた…
歩夢には笑っていてほしい
歩夢のためなら何でもする
歩夢の笑顔を守ってあげたい
俺はいつしかそう思うようになっていた
だから、歩夢の事なら
何でも分かる
歩夢は分かりやすいから…
歩夢が琉衣くんの事が好きだってことも
ずっと前から知ってた
琉衣くんを見る時の歩夢の目は
すごく輝いてたから
その目を俺にも向けてほしい…
そんな目で琉衣くんを見ないで…
俺はそう思うようになった
その時に恋に落ちたのだろうか
なぜか、琉衣くんには負けたくなかった
「はぁ…」
俺は大きなため息をついた
後ろを振り返っても歩夢はいない
確か、屋上で3人で昼ごはん食べるとか
言ってたな…
俺は行きたくなかったから
即断ったけど
「歩夢…大丈夫かな」
俺は窓の外を眺めながら
空に向かって呟いた
その時、教室のドアが開いた
振り返るとそこには…
「歩夢…?」
教室に入ってきたのは歩夢だった
でも、様子がおかしい
顔は下を向いていて
購買で買った昼ごはんを片手にぶらさげながら
席へと歩いてきた
よく見ると、昼ごはんに
手をつけていない
「歩夢?どうしたの?」
「……………」
歩夢は何も言わず
机に顔を伏せてしまった
かすかに鼻をすする音がした
もしかして歩夢…
泣いてるの?
何があったんだよ…歩夢
俺は不安だった
昼ごはんに手をつけてないという事は
屋上に行っていないのだろうか
それとも、行ったけど食べずに
帰ってきたとか?
「…歩夢…」
名前を呼んでも
返事はない
泣かないで…歩夢
笑ってよ…
誰が泣かせたんだ、歩夢を…
まーくん?琉衣くん?
例え相手が2人だったとしても
俺は絶対に許さない
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