アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
02
-
「嘘をつくのような奴の言う事なんて聞きたくない。見損なったよ、歩夢」
「…………」
「もう…お前の顔なんか見たくない。俺の前に二度と現れんな…!」
「…っ?!」
琉衣はそう吐き捨てると
俺の横を通り過ぎ
屋上から出て行った
残された俺は
ただ…呆然と立ちすくしているだけだった
俺、完全に琉衣に嫌われた…?
俺の顔なんか見たくない…
二度と現れんな…
琉衣の言葉が
俺の頭の中を支配する
何で…何でこうなるんだよ…
俺はただ…気持ちを伝えたかっただけなのに…
それなのに何で…!
伝わらなかったんだ…届かなかったんだ…
「やっと…やっと言えたのに…それなのに…!」
琉衣には嫌われてしまった
何でこんな事になるんだよ…!
何で…何で何で何で…!!
「ああああああああああっっっ!!!」
気づいたら俺は
声をあげて泣いていた
地面に崩れ落ち
コンクリートと叩く
冷たくて硬いコンクリートを
拳で殴りながら
俺は泣き叫ぶ
もう、泣く事しか出来ない
泣く体力すら残ってないかもしれない
俺の手からは血が流れていて
コンクリートは血まみれだった
俺の初恋だった…
初めて人を好きになって
初めて告白した…
こんなに人を好きになったのは
琉衣が初めてだった…
琉衣が教えてくれたんだよ…
人を愛することを…
それなのに…
こんな終わり方って…ありかよ…
10年以上…
思い続けてきたのに…
こんなに早く
幕を閉じてしまった
そう…俺は今日…
失恋したんだ…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
37 / 270