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story.09 好きだよ… 紘side
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今日も、歩夢は学校に来ていない
歩夢が学校に来なくなってもう、1週間がたつ
電話しても出てくれないし
メールも返ってこない
ねぇ…歩夢…心配だよ…
泣いてるの?苦しんでるの?
歩夢は今…
何を思ってるの?
後ろを振り向いても
歩夢の姿はない
寂しい…
歩夢がいないと…俺…
「寂しいよ…」
ガラリと空いたままの席を見つめながら
俺はそう呟いた
歩夢に会いたい…
会って抱きしめたい…
辛かったよな…苦しかったよな…
悲しかったよな…寂しかったよなって…
歩夢の心の傷を
癒してあげたい…
君の涙は…見たくないんだ…
笑っててほしい…
俺だけに…その笑顔を向けてほしい…
誰が歩夢を泣かせた?
誰が歩夢から笑顔を奪った?
答えは分かってる
とっくに気づいてた…
歩夢がボロボロになって
教室に帰ってきたあの日から…
手の傷は大丈夫かな…
血が溢れていた歩夢の細く白い手…
白い手に真っ赤な血は
目立ちすぎてた
顔はうつむいたままだったから
分からなかったけど
声で分かる
泣いてたって…
歩夢を泣かせた奴は
たった1人しかいない…
俺は廊下側の1番後ろの席を
睨みつける
その視線の先にいるのが
歩夢を泣かせた…
歩夢から笑顔を奪った張本人…
「…琉衣…」
俺はそいつを鋭い目つきで睨みつけた後
席を立ち上がり
そいつの席へと向かった
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